更新日: 2024年1月14日
五浦海岸には今も油田が存在する?!見つかった巨大サメ化石と巨大ガス田跡を紐解く
奇岩が立ち並び、岡倉天心が愛した風光明媚な五浦海岸は、巨大なサメ化石が産出したほか、太古には巨大な油ガス田があったジオサイトでした。
五浦海岸の地形と地層
北茨城市大津町の五浦(いづら)海岸は、海食でできた奇岩・奇礁が広がる景勝地です。名前の由来でもある5つの浦(南から小五浦(こいづら)・大五浦(おおいづら)・椿磯(つばきいそ)・中磯(なかいそ)・端磯(はしいそ))からなり、近代美術界に大きな功績を残した岡倉天心(おかくらてんしん)の旧宅や庭園が残されていることから、国の登録記念物にも指定されています。
周辺の地層は、中新世の多賀層群高久層(たがそうぐんたかくそう)(約1670万年前)が、湯長谷(ゆながや)層群亀ノ尾層(かめのおそう)(約1770万年前)と多賀層群大津層(約1020万年前)とに不整合(ふせいごう)で挟まれ、1㎞以内の狭い範囲で不規則に分布しています。六角堂(ろっかくどう)付近の奇岩・岩礁は高久層で、炭酸カルシウム(方解石(ほうかいせき))がセメント状に凝結した固い塊状や層状の炭酸塩コンクリーションを含む堆積岩でできています。2020(令和2)年、北海道大学と茨城大学の研究チームが驚くべき成果を発表。五浦海岸にはかつて巨大な油ガス田があったというのです。
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