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常磐炭田を生んだ地層と産業史~南北に約95㎞も広がる大炭田~ 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年1月14日

常磐炭田を生んだ地層と産業史~南北に約95㎞も広がる大炭田~

約3500万〜3000万年前の森林が育んだ、南北約95㎞に広がる常磐炭田。その地層の成り立ちと県北エリアの炭鉱の歴史を見てみましょう。

常磐炭田の形成と地層

福島県双葉郡富岡町からいわき市を経て日立市へ広がる常磐(じょうばん)炭田。その範囲は南北に約95㎞、東西5〜25㎞にわたります。

約3500万〜3000万年前、北茨城周辺の沿岸部には森林や湿原が広がっていました。やがて、植物が枯れて腐らずに堆積し、ゆっくりと分解されてできる泥炭が埋没。これが地中の熱や圧力の影響を受け、炭素が濃縮して石炭が生成されました。植物そのものの化石も採集されており、セコイアやメタセコイア、ポプラ、ヤナギなどが発見されています。

石炭を含む地層は、白水層群石城層(しらみずそうぐんいわきそう)と呼ばれる古第三紀漸新世(こだいさんきぜんしんせい)(約3400万〜3000万年前)の地層です。その下部は河川の堆積物からなり、上部は海生貝類の化石を含むのが特徴。この炭層が、陸の隆起や侵食によって、地表に現れたり採掘可能な深さになったのです。

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