平磯海岸の化石代表はアンモナイト!
平坦なテラス状の磯(波食棚(はしょくだな))が広がる平磯海浜公園付近の平磯層からは、アンモナイトの化石が産出します。この地域のアンモナイトの多くは、白亜紀後期に出現した「異常巻きアンモナイト」です。
通常、アンモナイトの殻は平面的な渦巻き状に巻く。いっぽう、異常巻きの殻は立体的で、渦巻き状とも限りません。異常巻きには、隙間のあるらせん状に巻く「ディディモセラス」や、ステッキ(杖)のような形状の「ポリプチコセラス」といった種類があります。かつて、異常巻きは病気による奇形とされていましたが、研究が進むにつれて異常巻きにも規則性があることがわかり、今では環境に適応して進化したものと考えられています。通常巻きのアンモナイトが水中を活発に遊泳していたのに対して、異常巻きは浅い海の底を這い回っていたようです。
また、1959(昭和34)年には新種のウニ化石が発見され、「ニッポナスター・ナカミナトエンシス」と命名されています。
平磯海岸の化石として見つかったシロワニ属
平磯海浜公園から北へ進むと、ごつごつとした岩が板状に並ぶ不思議な海岸地形が見えてきます。これは、混濁流により形成された砂岩と泥岩が交互に重なった「砂泥互層(さでいごそう)」(タービダイト)で、柔らかい泥岩の層が削り取られてできたものです。そして、この地層からも多くの化石が発見されています。
このように、泥層部が選択侵食されて洗濯板状になっている砂泥互層は、宮崎県の日南海岸青島で「鬼の洗濯板(洗濯岩)」として知られていますが、平磯海岸も同様の通称名がつけられたジオスポットです。
2020(令和2)年、平磯海岸でシロワニ属の歯化石2点が見つかりました。シロワニ属はサメの一種で、恐竜をはじめとする多くの生物が絶滅した白亜紀末期(約7000万年前)を生き延びたとされます。発見された歯化石2点のうち、1点は種までは特定できていませんが、1点は白亜紀末の大量絶滅を生き延びたカルカリアス・グラシリスと考えられています。これによって、シロワニ属が後期白亜紀の北西太平洋に生息していたことがわかりました。白亜紀に起きた大量絶滅前後の生態系の変化を知るうえで、重要な一歩となる発見でした。
※平磯海岸(ひたちなか市)の化石を含む地層は県指定天然記念物として、またエリア全域が県立自然公園として保護されており、特別な許可を得ないと化石採取はできません。
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・壁面の岩に海底火山の証!名瀑・袋田の滝が誕生するまで
・平磯海岸の恐竜時代の地層から、アンモナイトや国内初のサメ化石!
・県南部で続々と化石発見! 茨城に生きたナウマンゾウ
・南北に約95m広がる大炭田、常磐炭田を生んだ地層と産業史
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・地方王権の誕生を示す県内最大の古墳・舟塚山古墳
・石岡に置かれた常陸国府とそれを取り巻く交通路の痕跡
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・長い不遇の時代を経て佐竹氏が常陸の覇者に返り咲く
・水戸で育った尊王攘夷思想 桜田門外の変や天狗党の乱に発展
…などなど、激動の茨城の歴史に興味を惹きつける
【見どころ】Part.4 茨城で育まれた産業や文化
・水戸藩に飲料水を運んだ地下水路・笠原水道
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・鉱山開発と日立製作所の歴史
・原子力とともに歩んだ東海村の半世紀
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