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名取川の歴史:伊達政宗による開削で河川輸送や流域開発が進んだ
伊達政宗により、1596(慶長元)年に名取川と広瀬川を結ぶ「木流し堀」が、翌年からは阿武隈川~名取川を結ぶ全長約15kmの「木曳(こびき)堀」(貞山(ていざん)運河)の開削が行われました。
これにより城下町を建設するための物資の輸送や行商など、河川をいかした舟運が盛んになったといいます。また、四ツ谷堰の工事によって、下流域の新田開発も活発に行われました。
名取川の流れ
仙台城下を流れる広瀬川などと合流して太平洋に注いでいます。水運に活用された一方で、たびたび氾濫して大きな被害をもたらしました。
名取川の歴史:氾濫を物語る伝説
一方、名取川は相次ぐ洪水に見舞われており、『伊達治家記録』などによると、藩政時代の250年間に50回以上の洪水があったことが記録されています。明治維新後から今日までも、台風などによる被害が後を絶ちません。
こうした名取川の氾濫の歴史を物語る伝説が、仙台市太白区に位置する落合観音堂で語り継がれています。
1627(寛永4)年に政宗が袋原から落合に移し、昭和26年(1951)の名取川改修時に現在の場所に移された落合観音堂。そばには名取川が流れていますが、洪水による氾濫で観音堂が浸水し、安置されている十一面観音像が流されそうになりました。
その時、名取川に生息する無数のカニが観音像を守り、流されるのを防いだという伝説が残っています。それ以来、地元の人々はカニを食べることはなくなり、絵馬にカニを描いて観音堂に奉納するようになったといいます。
名取川の河口にある閖上(ゆりあげ)の「閖」の由来とあんどん松
名取川の河口に位置する閖上の「閖」という文字は、日本で作られた国字の一つ。この文字は、四代藩主・綱村に由来があるとされています。1697(元禄10)年、綱村が大年寺(太白区)の山門から東に位置するゆり上浜を望み、「門の中に水が見えたので、門の中に水という文字を書いて『閖上』と書くように」と命じたことがきかけだったといいます。
河口近くの南側堤防沿いには、政宗が遠州から取り寄せて植えたというクロマツ並木があります。現存する46本は東日本大震災にも耐え、変わらない姿で残っています。かつて、地元の漁師が灯台代わりの目印に使っていたことから「あんどん松」と呼ばれるようになったといいます。
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・東北支配の拠点となった陸奥国郡山官衙と多賀城
・藤原家三代秀衡が陸奥守に就任・宮城の地も藤原家の統治下に
・室町時代に権勢を誇った大崎氏・名生館の屋敷で伊達氏らが拝謁
・敵を寄せ付けぬ天然の要害 正宗の拠点・仙台城が完成
・伊達62万石を揺るがせた伊達騒動の顛末を追う
・元禄バブル崩壊で財政危機!5代吉村が改革に乗り出した
・飛行隊基地に陸軍駐屯所など軍都としても栄えた宮城県
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