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【宮城の伝統工芸②】雄勝硯(おがつすずり)

二つ目は、石巻市の雄勝地区で室町時代から生産されている雄勝硯。伊達政宗・忠宗も愛用し、硯の原料が採れる山を「お止め山(お留山)」として、関係者以外の採石を許さなかったと伝えられています。

また同地区では、明治時代後半から大正時代にかけて洋風建築の屋根葺きに採用された「石盤葺(せきばんぶき)」も継承されています。薄く割った粘板岩(スレート)の板を屋根に葺く技術で、国の選定保存技術に指定されています。この地域で良品の粘板岩が産出できたことが、技術の発展を後押ししたと考えられています。

【宮城の伝統工芸③】鳴子漆器

三つ目は、大崎市の鳴子地域で寛永年間(1624~1644年)には生産が始まっていたとされる鳴子漆器。江戸初期にこの地域の領主が、地元の漆器職人と蒔絵職人を京都へ修業に出し、鳴子漆器の振興を図ったとされています。鳴子温泉には工房や漆器店が並んでいます。

【宮城の伝統工芸④】仙台箪笥

四つ目は、江戸末期から製造が始まった仙台箪笥(たんす)。四尺箪笥を原型とし、木目が浮かび上がる木地呂(きじろ)塗りに豪華な金属製の飾り金具が施されている点を特徴としています。仙臺箪笥歴史工芸館(仙台市)では、製作工程を学べる資料や時代別の箪笥などが展示されています。

まだある!宮城の伝統工芸

このほか、堤町(仙台市青葉区)で生まれた堤焼(つつみやき)、これをもとにした郷土土人形の堤人形、地中から発見された約500万年前の樹木(埋木(うもれぎ))を加工した埋木細工などが県指定の伝統的工芸品に指定されています。

また、仙台市では、江戸時代から続く高級絹織物「仙台平(せんだいひら)」の技術が継承され、代表の甲田綏郎(こうだよしお)氏は人間国宝に認定されています。折り目がつきにくく、耐久性が高いことから袴地に使われ、江戸時代には皇室や幕府、他藩への贈答品として重宝されました。

栗原市では、自然の温度で発酵させた藍を使って染色する「正藍染(しょうあいぞめ)」の技術を千葉まつ江氏が継承しています。藍や麻を栽培するところから、すべての工程を一貫して自製しています。

仙台平

仙台藩によって開発され、歴代藩主の保護を受けて発展した最高級の絹織物。フィギュアスケートの羽生結弦選手が国民栄誉賞の授与式で着用しました。

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日本の各県の地形や地質、歴史、文化、産業など多彩な特徴と魅力を、地図を読み解きながら紹介するマップエンターテインメント。宮城県の知っているようで知られていない意外な素顔に迫ります。思わず地図を片手に、行って確かめてみたくなる情報を満載!

●地図で読み解く宮城の大地

・複雑な地形が美しい三陸と松島はどうやってできた?
・奈良の大仏のメッキには涌谷産の金が使われていた!
・県西部に連なる火山群と数々の温泉地の関係とは、荒れ狂う北上川が舟運路に!
・伊達政宗が始めた一大治水事業、暗渠化した四ツ谷用水をたどると見えてくる伊達政宗の町づくり
・「杜の都」の由来となった森はいったいどこにある?
・東京駅丸の内駅舎に使われた雄勝石をめぐる波乱のドラマ

などなど宮城のダイナミックな自然のポイントを解説。

●宮城に開かれた道の歴史

・東北中の人々が旅した奥州街道!その繁栄を支えた宿場の光と影
・険しい奥羽山脈を越えて宮城と山形を結んだ道の歴史
・海運時代の幕開けとともに活発化した阿武隈川の舟運とは?
・野蒜港計画とともに消えた幻の巨大運河ネットワーク構想
・東北新幹線が仙台駅前後で不自然に蛇行する理由とは?
・東京メトロより古い 日本初の地下路線があった仙石線

などなど、意外と知られていない宮城の交通トリビアを厳選してご紹介。

●宮城で動いた歴史の瞬間

・宮城の豊かさを伝える旧石器や縄文の遺跡が各地に!
・東北最大の雷神山古墳が示す仙台・名取の有力豪族
・東北支配の拠点となった陸奥国郡山官衙と多賀城
・藤原家三代秀衡が陸奥守に就任・宮城の地も藤原家の統治下に
・室町時代に権勢を誇った大崎氏・名生館の屋敷で伊達氏らが拝謁
・敵を寄せ付けぬ天然の要害 正宗の拠点・仙台城が完成
・伊達62万石を揺るがせた伊達騒動の顛末を追う
・元禄バブル崩壊で財政危機!5代吉村が改革に乗り出した
・飛行隊基地に陸軍駐屯所など軍都としても栄えた宮城県

などなど、興味深いネタに尽きない宮城の歴史。知れば知るほど宮城の歴史も面白い。

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