合肥新城へ自ら向かった孫権も曹叡の大軍に押され退散
翌234年、諸葛亮の5回目の北伐に呼応して、孫権は10万の大軍でもって再び合肥に侵攻します。
孫権自ら合肥新城へ向かい、陸遜(りくそん)と諸葛瑾(しょかつきん)を江夏(こうか)へ、孫韶(そんしょう)と張承(ちょうしょう)を淮陰へと派遣して3方向から攻撃し、魏軍を圧倒します。
用意周到な呉軍に魏軍は苦戦を強いられますが、なんとここで明帝(めいてい)(曹叡(そうえい))自らが大軍を率いて出陣しました。
司馬懿率いる魏軍の主力は、長安方面で諸葛亮と対峙して動けないと考えた呉にとっては大きな誤算でした。
反対にこの報を受けた魏軍は勢いを盛り返し、形勢が一気に逆転します。
満寵は新城に駆け付け、風上から呉軍の武器を焼き払って孫権の甥である孫泰(そんたい)も討ち取る戦果をあげます。さらに明帝率いる大軍が迫ると、もはや孫権も引き揚げざるを得ませんでした。
【合肥新城の戦い】三国志演義では?
反乱を起こした蜀の魏延は、劇的な死を遂げます。楊儀が諸葛亮の指示に従って魏延に「『誰かわしを殺す勇気のある者がおるか』と3度叫ぶことができたら漢中を譲ってやる」と告げます。魏延がそうひと声叫ぶと、諸葛亮の密命を受けていた馬岱が魏延を背後から斬殺したのでした。
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群雄が割拠した三国志を勢力図で解説。正史vs演義、人気の三国志作品も徹底比較!
数多の武将たちが群雄割拠し、栄枯盛衰の理のもとに散っていった三国志。はるか昔の、しかも他国の歴史であるにも関わらず、日本ではマンガやゲームなど多くの作品の題材となり、どの世代も魅了している。本書では、三国志のなかでも重要な出来事や戦いを図説。なぜその土地が重要だったのか?その戦いがなぜそこで起こったのか?地図とともにみれば、三国志の本当の姿が見えてくる。また、正史としての三国志と、物語としての三国演義の比較、マンガや映画など人気作品を分析したコラムも三国志ファン必見!
【見どころ】目次より一部抜粋
■序章 三国志とはなにか?
【『三国志』と『三国志演義』】三国志といっても正史と演義のふたつが存在する
【日本人と三国志】江戸時代に始まる日本の三国志ブーム
【名士の社会】三国志の争いに大きな影響を与えた人々
■第1章 曹操の華北制覇
【黄巾の乱】太平道の張角が信徒を率いて蜂起! 群雄割拠の時代が幕を開ける
【董卓の死】子飼いの将に裏切られ命を落とした暴君
【呂布追討】呂布に徐州を奪われた劉備、曹操とともに呂布を討つ ほか
~コラム~くらべて楽しむ三国志
董卓の死/曹操・劉備・孫権の人物像
■第2章 三国時代のはじまり
【三顧の礼】荊州にて不遇の日々を送る劉備、諸葛亮と出会う
【赤壁の戦い】業火が曹操の水軍を焼き尽くした三国志最大の戦い
【樊城の戦い】樊城を陥落寸前まで追い詰めた関羽、呉の寝返りにより麦城に散る!
【曹操の死】曹操の死と曹丕の即位が三国時代の幕を開ける ほか
~コラム~くらべて楽しむ三国志
三顧の礼/諸葛亮と周瑜の角逐/錦馬超/『孟徳新書』/関帝信仰
■第3章 諸葛亮の北伐
【曹丕の南征】弱体化した呉を狙うも敗退し、蜀呉同盟復活の契機となる
【第一次北伐】劉備の念願をかなえるべく、諸葛亮が長安攻略を目指す
【第五次北伐】魏の持久戦術に成す術なく、五丈原で諸葛亮の命が尽きる
■終章 三国時代の終焉
【蜀の滅亡】厭戦気分の高まる蜀になだれ込み、成都を強行軍によって占領した魏
【魏の滅亡】司馬氏に乗っ取られた魏、禅譲によって晋に取って代わられる
【呉の滅亡】暴君・孫晧の悪政に付け込んで一斉に晋軍が侵攻 ほか
監修者紹介
渡邉義浩(わたなべよしひろ)
1962年生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻修了。早稲田大学文学学術院教授。専門は中国古代思想史。文学博士。主な著書に『三国志事典』(大修館書店)、『「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち』(講談社)、『三国志 演義から正史、そして史実へ』(中公新書)などがある。
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