猿島砲台の復活~関東大震災で崩壊~
しかし、1923(大正12)年に発生した関東大震災によって猿島砲台は崩壊。1925(大正14)年には除籍となっています。
その後、猿島は再び海軍に移管され、国際関係が悪化してきた1937(昭和12)年以降は要塞として復活し、高角砲や探照灯などの対空装備が強化されました。
猿島は終戦後要塞から海水浴場に
第二次世界大戦の終結後、猿島は横須賀基地とともに米軍に接収されましたが、1947(昭和22)年には渡船の運航が開始され、1957(昭和32)年には海水浴場が開かれました。そして1961(昭和36)年、猿島は日本に返還されるのです。
1993(平成5)年、猿島は立ち入り禁止となり海水浴場も渡船も廃止されました。しかし1995(平成7)年に横須賀市が管理を委託され、島内の散策路などを整備し渡船も復活します。1996(平成8)年には海水浴場も再開しました。
猿島は要塞から屈指の観光地となった
その後、2003(平成15)年には猿島が国から横須賀市へ無償譲渡されると、市が公園として整備。現在はバーベキュー場や売店などもつくられ、釣り客に加えて映画『天空の城ラピュタ』の世界と話題になったことから観光客は順調に増えています。
市では2015(平成27)年から入園料を徴収していますが人気は高く、2017年の入島者は約18万人にのぼっています。
猿島
- 住所
- 神奈川県横須賀市猿島1
- 交通
- 京急本線横須賀中央駅から徒歩15分の三笠桟橋から猿島行き船で10分
- 料金
- 入園料=15歳以上200円、小・中学生100円/連絡船往復=大人1300円、小人650円/
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