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【愛知県誕生までの歴史】尾張には名古屋県と犬山県が設置される
いっぽうで尾張に目を移すと、幕末期に存在した名古屋藩と犬山藩は廃藩置県で名古屋県と犬山県になりました。
やがて犬山県は名古屋県に統合され、1872(明治5)年4月2日に愛知県に改称されました。愛知県の県庁が置かれた場所は名古屋でした。
【愛知県誕生までの歴史】現在の愛知県域が確定
歴史的に見ても三河と尾張は別の国です。方言も違えば文化も異なります。それぞれ独自性を保ってきたのですが、1872(明治5)年11月27日、第2次府県統合によって額田県が愛知県に編入されることになりました。
この編入により、現在の愛知県域がおよそ確定し、県庁は引き続き名古屋に置かれることになったのです。
三河と尾張が一つの県に統合された理由
この“合併”がなぜ起きたのか、その理由は今も判然としません。あくまでも推測ですが、財政上の理由であったと考えるのが妥当です。それぞれ個別に行政府を運営するよりも、大きな県域からの税収を一極集中させるほうが効率的と判断したのでしょう。
【愛知県誕生までの歴史】スムーズに進まなかった三河と尾張の合併
ですが、財政面において三河側よりも名古屋のある尾張側が重視されるであろうことは、火を見るよりも明らか。尾張への傾斜配分は、やがて県内に格差を生むでしょう。
政府主導の統合編入に対し、当然のことながら、三河側からは反発の声が上がりました。その結果、明治期には再三にわたって分県運動が起こっています。この運動は、三河を愛知から分離独立させることを目的とし、その際に掲げられたのが「額田県再置」でした。
発足したばかりの愛知県の課題のひとつは“尾三一体化”
額田県成立から愛知県への編入までは、わずか1年ほどの短期間。それまで小藩が林立して地域意識の薄かった三河地方において、初めて“ひとつの三河”という意識を生み出したのが「額田県」でした。そうしたシンボリックな意味合いもあって、分権運動で「額田県再置」が叫ばれたのでしょう。
以降、近代の愛知県内では、尾張と三河の地域間における対抗意識をいかに融和していくか、“尾三一体化”がひとつの課題となっていくのでした。
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【見どころ】 Part.1 地図で読み解く愛知の大地
・山地の三河と低地の尾張、愛知県が東高西低なわけ
・1500万年前の奥三河には富士山級の大火山があった!
・自然の断崖が名城を守る!大地の端に築かれた名古屋城
・西南日本を分断する大断層、中央構造線が奥三河に露出!
・知多半島の南部の地層で産する、美しく多様な深海生物化石群
・県内の死者予測は2.9万人、南海トラフ地震とは何か?
・伊勢湾台風がもたらした高潮ほか大被害のメカニズム
・・などなど愛知のダイナミックな自然のポイントを解説。
【見どころ】Part.2 愛知を駆け抜ける鉄道網
・愛知県の鉄道の始まりに名古屋駅は存在しなかった!?
・世界初のビュフェもあった幻の関西鉄道はどんな路線?
・名鉄名古屋本線はかつて名古屋を境に東西で別の私鉄?
・新幹線に負けない魅力満載!進化を続ける近鉄名阪特急
・国産初の超低床路面電車!リトルダンサーが走る豊橋鉄道
・飯田線には昭和晩年まで東西の名車が集結していた!?
・線路やホーム跡が現存する奥三河の秘境鉄道・田口鉄道
…などなど、意外と知られていない愛知の鉄道トリビアを厳選してご紹介。
【見どころ】Part.3 愛知の歴史を深読み!
・大集落の朝日遺跡が教える縄文から弥生への移り変わり
・東海地方最大の前方後円墳、断夫山古墳が示唆するもの
・須恵器の猿投窯に始まり中世に発展した愛知の窯業
・応仁の乱の発端となった大激戦は尾張と三河の守護職争い!?
・信長が少ない軍勢で挑んだ桶狭間の戦い勝利の裏側
・家康後の岡崎城主・田中吉政が築いた岡崎二十七曲りとは?
・都市ごと清洲から名古屋へ移転した清洲越えがすごい!
・廃藩置県後の県域には12県、愛知県はどのようにして誕生?
・・・などなど、興味深いネタに尽きない愛知の歴史。知れば知るほど愛知の歴史も面白い。
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