【黄巾の乱】組織的なクーデターだった?
黄巾の乱は従来、農民主体の反乱とされてきました。しかし近年では乱を主導したのは豪族や知識人層であり、事前に朝廷工作も行なった上で国家転覆を図る組織的なクーデターだったとされます。
乱は朝廷軍が皇甫嵩(こうほすう)・盧植(ろしょく)ら将軍の奮闘で巻き返すと、張角の病死もあり、184年の内に鎮圧されました。しかし漢の権威失墜が明らかとなり、群雄割拠の時代へと突入していきます。
【黄巾の乱】三国志演義では?
黄巾の乱のさなか、劉備(りゅうび)が関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)と出会い、涿県(たくけん)の張飛の屋敷裏の桃園(とうえん)で、「同年同月同日に生まれんことは得じとも、願わくは同年同月同日に死せん」と、義兄弟の誓いを交わしました。3人は黄巾の乱鎮圧軍に義勇兵を率いて参加し、武功を挙げています。
『地図でスッと頭に入る三国志』好評発売中!
群雄が割拠した三国志を勢力図で解説。正史vs演義、人気の三国志作品も徹底比較!
数多の武将たちが群雄割拠し、栄枯盛衰の理のもとに散っていった三国志。はるか昔の、しかも他国の歴史であるにも関わらず、日本ではマンガやゲームなど多くの作品の題材となり、どの世代も魅了している。本書では、三国志のなかでも重要な出来事や戦いを図説。なぜその土地が重要だったのか?その戦いがなぜそこで起こったのか?地図とともにみれば、三国志の本当の姿が見えてくる。また、正史としての三国志と、物語としての三国演義の比較、マンガや映画など人気作品を分析したコラムも三国志ファン必見!
【見どころ】目次より一部抜粋
■序章 三国志とはなにか?
【『三国志』と『三国志演義』】三国志といっても正史と演義のふたつが存在する
【日本人と三国志】江戸時代に始まる日本の三国志ブーム
【名士の社会】三国志の争いに大きな影響を与えた人々
■第1章 曹操の華北制覇
【黄巾の乱】太平道の張角が信徒を率いて蜂起! 群雄割拠の時代が幕を開ける
【董卓の死】子飼いの将に裏切られ命を落とした暴君
【呂布追討】呂布に徐州を奪われた劉備、曹操とともに呂布を討つ ほか
~コラム~くらべて楽しむ三国志
董卓の死/曹操・劉備・孫権の人物像
■第2章 三国時代のはじまり
【三顧の礼】荊州にて不遇の日々を送る劉備、諸葛亮と出会う
【赤壁の戦い】業火が曹操の水軍を焼き尽くした三国志最大の戦い
【樊城の戦い】樊城を陥落寸前まで追い詰めた関羽、呉の寝返りにより麦城に散る!
【曹操の死】曹操の死と曹丕の即位が三国時代の幕を開ける ほか
~コラム~くらべて楽しむ三国志
三顧の礼/諸葛亮と周瑜の角逐/錦馬超/『孟徳新書』/関帝信仰
■第3章 諸葛亮の北伐
【曹丕の南征】弱体化した呉を狙うも敗退し、蜀呉同盟復活の契機となる
【第一次北伐】劉備の念願をかなえるべく、諸葛亮が長安攻略を目指す
【第五次北伐】魏の持久戦術に成す術なく、五丈原で諸葛亮の命が尽きる
■終章 三国時代の終焉
【蜀の滅亡】厭戦気分の高まる蜀になだれ込み、成都を強行軍によって占領した魏
【魏の滅亡】司馬氏に乗っ取られた魏、禅譲によって晋に取って代わられる
【呉の滅亡】暴君・孫晧の悪政に付け込んで一斉に晋軍が侵攻 ほか
監修者紹介
渡邉義浩(わたなべよしひろ)
1962年生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻修了。早稲田大学文学学術院教授。専門は中国古代思想史。文学博士。主な著書に『三国志事典』(大修館書店)、『「三国志」の政治と思想 史実の英雄たち』(講談社)、『三国志 演義から正史、そして史実へ』(中公新書)などがある。
『地図でスッと頭に入る三国志』を購入するならこちら
※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!