更新日: 2024年1月14日
『三国志』と『三国志演義』~正史と演義のふたつが存在する三国志~
「三国志」の時代は、3世紀、後漢末から含めても、百年余りに過ぎません。しかし、この時代は、古代ローマ帝国に匹敵する大漢帝国が崩壊し、新たな戦乱の世を迎えた中国史上の一大転換期でした。ちなみに、日本は卑弥呼の時代です。
「三国志」に描かれた幾多の君主や武将、そして軍師たちは、時代の変革期において、それぞれの信念に従って互いにぶつかり合い、行動しました。かれらの「生き方」は、決して一様ではなく、実に多種多様です。わたしたちは、それぞれの感性によって、好きな人物に肩入れし、自分なりの「三国志像」を結んでいくことができるでしょう。
『三国志』は中国の歴史書
一概に三国志といっても、正史(せいし)の『三国志』と正史を元に著された『三国志演義』のふたつがあります。
正史は3世紀末、晋(しん)王朝に仕えた陳寿(ちんじゅ)によって書かれた、2世紀末から3世紀末の中国の歴史を記した正式な歴史書です。正統王朝と位置づける魏(ぎ)の歴代皇帝ごとに本紀(ほんぎ)を立て、魏(ぎ)、蜀(しょく)、呉(ご)の国別に人物の列伝を合わせた紀伝体形式で書かれています。
ただし歴史書であるため、記述が簡素で異聞や逸話の類はあまり記録されていませんでした。
そこで5世紀の宋の時代、裴松之(はいしょうし)が異説や『三国志』以降の歴史書の記述を集めた注釈を加えます。
これが現在の正史『三国志』です。
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