東京の坂の名前に同じ名前が存在する理由
坂にはさまざまな名前がついていますが、江戸時代につけられたものが多くあります。坂の名前は地元の江戸っ子たちがわかりやすくつけたため、結果、同じ坂名が複数存在することになりました。さらに坂名を分類すると、風景、町名・地名・大名屋敷名、寺社名、人名・動物名などに分けられます。
東京の坂の名前で多い風景を由来とする「富士見坂」
風景由来の坂の代表は富士見坂です。富士見坂は富士山がよく見える坂につけられました。これに対し、細い道で両側が木々に覆われて日中でも薄暗く細い道には幽霊坂、暗闇坂、鼠坂などの名がつけられました。
大名屋敷由来には紀伊国坂、紀尾井坂があります。新しくできると新坂と名づけたため、あちこちに新坂ができることになりました。
特に都内にある坂名で多いのは富士見坂です。江戸時代は富士山信 仰がさかんだったため、富士山に登山できない人のために富士山に見立てたミニ富士山を造ったほどで、江戸っ子は富士山に対する思いが強いのです。富士見坂が多いのも同じ理由からです。当時の江戸からは、高台に行けばあちこちから富士山が見えたに違いありません。美しい富士山が見える坂には積極的に富士見坂と名づけた結果、現在でも都心部だけで富士見坂は十数か所あります。
富士山が望めなくなった富士見坂
ただ、江戸時代の富士見坂と違うのは、今に伝わるほとんどすべての富士見坂から富士山は見えないことです。
渋谷の宮益坂もかつて富士見坂といわれましたが、見えなくなったので宮益坂になりました。しかし、宮益坂のように坂名を変えたのは例外的で、ほとんどの富士見坂は名前を変えることなく、富士山がきれいに見えた坂として、現在に坂名を残しています。
都心の富士見坂で、最近まできれいに見える坂として知られたのは、荒川区西日暮里にある富士見坂。一時は、ダイヤモンド富士を見る人でにぎわうほどでしたが、2013年秋、マンション建設のため富士山の形を認識できる景色は望めなくなりました。
急勾配の坂が東大和市にある
日本一急な坂はどこでしょうか。大阪府と奈良県の境界にある暗(くらがり)峠が最大勾配43.8 %で知られます。実はこれに劣らない超急勾配の坂が東京にもあります。
東大和市の多摩湖近くの西武多摩湖線武蔵大和駅から西へ行くと湖畔通りがあり、湖畔通りと狭山丘陵を結ぶ通りがいずれも急坂の道。その中に勾配28%と勾配37%の坂が相前後してあり、勾配37%の道は車両通行禁止になっています。坂にある車止めすら斜めになるほどの勾配です。
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・実は立川市内にはない? 東京の活断層「立川断層」とは?
・玉川兄弟が江戸まで引いた ! 標高差わずか92mの玉川上水
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・渋谷は谷が密集してできた街だった
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・荒川と隅田川に囲まれた低地はなぜできたのか? 海抜ゼロメートル地帯江東デルタ
・“荒ぶる川”荒川の流路付け替え
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・地下鉄は銀座線から始まった/東京地下迷宮! 幻のホームとは!?
・64年東京五輪のレガシー “夢の超特急”東海道新幹線開通!
・都電荒川線が唯一存続した理由
・新宿駅がビッグターミナルになるまで
・高尾山ケーブルカーは日本一の急勾配!?
・五街道の起点となった日本橋
・勝鬨橋は幻の万博のために作られた
・首都高速の誕生と未来/東京の交通網の未来予想図
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【見どころ】Part.3 東京で動いた歴史の瞬間
・天之手力雄命と菅原道真公を祀る 古代に創建された湯島天満宮
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・八王子城の落城と戦国時代の終焉
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・迫られる外交方針 ! 徳川家光が定めた「鎖国」体制
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・中央集権国家の誕生へ ! 東京の誕生と廃藩置県
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・関東大震災 被害と復興
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・条件降伏と玉音放送
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・学生たちは何を求めて闘ったのか? 東大紛争と安田講堂事件
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【見どころ】Part.4 東京で生まれた産業・文化
・吉原遊廓は文化サロンの一面も!?
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・開国要求への抵抗!「お台場」の由来は幕末にあった
・西洋スタイルの銀座煉瓦街が誕生
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・神田から始まった日本の近代下水道モデル
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