立川断層は東京の代表的な活断層
東京の活断層として知られるのは立川断層帯です。立川断層帯は、埼玉県飯能(はんのう)市(旧名栗村)から東京都青梅市、武蔵村山市、立川市を経て府中市にいたる断層帯で、名栗断層と立川断層から構成されます。
全体の長さは約33km、北西から南東方向に延びており、立川周辺では段丘崖(だんきゅうがい)のような地形が発達しています。その場所は、昭和記念公園付近から北西に延びる直線的な線として捉えられ、詳細なデジタル地形データによれば、断層崖が黒っぽく直線的な線として見えます。
立川断層帯の位置(広域)
立川断層帯は埼玉県飯能市(名栗村)から南東、東京都青梅市、立川市を経て府中市にいたる約33kmにわたり、名栗断層と立川断層に分けられます。
立川断層の地震調査の結果
立川断層が広く知られるようになったのは、政府の地震調査委員会が2009年に全国での要警戒七活断層のひとつに立川断層帯を選んだからです。その基準とは、活断層の近くが人口密集地になっているうえ、マグニチュード7.4程度の地震を起こす可能性があるからと報告されました。
2013年、政府はトレンチ法(土木機械で土地を掘り下げて地層の断面を調べる方法)による調査を実施しました。地下での地層のズレが発見されれば、過去の地震歴などがわかります。都会では難しい方法ですが、当時日産自動車村山工場が撤退した後の広大な空地が立川にあったため、そこで調査が行われました。長さ250m、深さ10mの巨大な溝を掘り、ボーリング調査も実施する大規模なものとなったのです。
日本の地震研究の先端を担う東京大学地震研究所が発表した調査結果は、「活断層を発見した」との見解でした。ところが、土木関係者から、コンクリートではないか、との指摘を受けたのです。学者が地震によるズレと判断した白っぽい岩は、実は工場建設のために打ち込んだコンクリートの杭だったと判明し、活断層とした調査結果は誤認だったと認め、世間に衝撃を与えました。
立川断層に関しては、2015年東大地震研究所による大規模な調査の結果、瑞穂町箱根ヶ崎で長さ約12kmの断層が見つかりましたが、立川市内を通っているといわれる断層は見つかりませんでした。
立川断層で地震が起こるのはまだ先かもしれない
地質学的には、活断層とは100万年以内に動いたとみなされる断層のことを指します。立川断層については、活動度がBと低く、地震・断層の活動は3000年に1回くらいですが、最後の活動から2000年くらい経っているため、近い将来にまったく起きないとも言えません。日頃から地震への備えをしておくのがよいでしょう。
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