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「神田下水」といわれる日本で最初の下水道は、安全で衛生的な街づくりのモデル 写真:123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年1月14日

「神田下水」といわれる日本で最初の下水道は、安全で衛生的な街づくりのモデル

明治期に浮上した都市の公衆衛生問題。
伝染病で多大な被害を受けた神田に造られた近代下水道「神田下水」が、わが国の本格的な下水道整備の始まりとなりました。

「神田下水」整備までの背景①:下水道整備が遅れていた日本の事情

日本は、古くより農耕主体の国家で、し尿を農地の肥料として活用してきました。そのため、歴史的に伝染病が何度も流行したヨーロッパと違って、江戸のような大都市において深刻な衛生問題が起きることはありませんでした。しかし、その反面、わが国の下水道整備を遅らせる原因ともなったのです。

海外の下水道はいつ完成した?

世界でもっとも古い下水道は、約4000年前の古代インドの都市、モヘンジョ・ダロに造られたものとされています。煉瓦製の下水道で、各戸で使い終わった水を集めて川に流す役割を果たしました。その後、古代エジプトや古代ローマなどでも下水道が建造されました。

中世のヨーロッパでは、都市人口の増加で汚物が街路に投棄され、衛生状態が悪化してペストなどの伝染病が流行しました。1848年にロンドンでコレラが大流行したことで、1855年に下水道工事に着手。その後、ヨーロッパ各国やアメリカでも下水道工事が行われるようになりました。

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