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都電荒川線の歴史①:廃線予定を覆した数々の理由

そのような状況下、荒川線も廃止される予定でしたが、都電荒川線の特殊な事情が助け舟となりました。

まず、現在の都電荒川線にあたる27系統と32系統の利用者数が1日10万人を超えていたこと。次に、都電荒川線の、つまり三ノ輪橋~早稲田の9割が道路と分離された専用軌道で、道路渋滞に与える影響が少ないこと。そして、並行する道路がないためにバスによる代替輸送が困難なこと。さらには、沿線住民の要望と都電廃止を惜しむ人々の声が、存続を後押し。

昭和49(1974)年、2系統を一体化する形で永久存続が決まったのです。

32系統と27系統の一部が統合した荒川線

32系統と27系統の一部が統合した荒川線

昭和49(1974)年10月1日から27系統と32系統をまとめ、通称となっていた「荒川線」を路線の名称としました。

都電荒川線の歴史②:廃線の危機を救った独自性には前身となった王子電気軌道の影響も

こうして廃線の危機から脱した荒川線は、次々と廃止されていったほかの路線とは異なる特殊な状況、独自性があったために生き残れたわけです。そういう意味では、「都電らしくない」路線といえなくもありません。

実は、荒川線はその前身が「王子電気軌道」という私鉄。明治44(1911)年に大塚駅前~飛鳥山上で開業し、その後、早稲田まで延伸し、現在の路線が形成されました。昭和2(1927)年には、現在の地下鉄南北線と同ルートの王子~赤羽に延伸するものの、翌年に国鉄が赤羽までの電車運転を開始したため利用者は伸び悩みます。住宅開発の中心が東京南西部に移った状況などもあり、経営難に陥った王子電気軌道は東京市電に統合されてしまったのです。しかしながら、そうした経緯があったからこそ、荒川線が存続する理由となった独自性が育まれたのかもしれません。

都電荒川線は地元民と密着した愛され路線に

都電のなかで唯一生き残った荒川線は、昔に比べれば利用者は減りましたが、2000年に地元の要望で新たな停留所を増やすなど、地域に親しまれてその存在感を強めています。都交通局としても都電の未来を見すえて収益性を高めていくために、「地元の足」としての役割は大前提としながら、観光資源としての活用も進めていく意向です。

2017年には広く意見を募って「東京さくらトラム」という愛称も決定。昭和初期の市電をイメージして造られた9000形車両が町を走る姿は、唯一の都電としての矜恃さえ感じさせます。

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・御神火が生んだ島々、伊豆諸島の誕生と火山の関係
・実は立川市内にはない? 東京の活断層「立川断層」とは?
・玉川兄弟が江戸まで引いた ! 標高差わずか92mの玉川上水
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・渋谷は谷が密集してできた街だった
・千鳥ヶ淵はダムだった !?
・荒川と隅田川に囲まれた低地はなぜできたのか? 海抜ゼロメートル地帯江東デルタ
・“荒ぶる川”荒川の流路付け替え
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・関東大震災以降、東京は郊外へと拡がった。田園調布の開発と私鉄の発展
・地下鉄は銀座線から始まった/東京地下迷宮! 幻のホームとは!?
・64年東京五輪のレガシー “夢の超特急”東海道新幹線開通!
・都電荒川線が唯一存続した理由
・新宿駅がビッグターミナルになるまで
・高尾山ケーブルカーは日本一の急勾配!?
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【見どころ】Part.3 東京で動いた歴史の瞬間

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・片田舎の武蔵野は関東随一の大国だった
・文武両道の才人、太田道灌が江戸城を築城
・八王子城の落城と戦国時代の終焉
・江戸幕府開府と家光で完成した大都市
・迫られる外交方針 ! 徳川家光が定めた「鎖国」体制
・江戸を襲った明暦の大火
・江戸を恐怖の底に陥れた安政の大地震
・徳川慶喜の思惑が外れた大政奉還
・中央集権国家の誕生へ ! 東京の誕生と廃藩置県
・大久保利通暗殺、紀尾井坂の変
・江戸本所生まれ、郷土の偉人 勝海舟の波乱の人生を追う
・関東大震災 被害と復興
・“玉砕の島”硫黄島の悲劇
・条件降伏と玉音放送
・東京裁判とスガモプリズン
・敗戦から19年目の東京五輪
・学生たちは何を求めて闘ったのか? 東大紛争と安田講堂事件
・三島由紀夫、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決
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【見どころ】Part.4 東京で生まれた産業・文化

・吉原遊廓は文化サロンの一面も!?
・大衆文化の頂点に立った江戸歌舞伎
・開国要求への抵抗!「お台場」の由来は幕末にあった
・西洋スタイルの銀座煉瓦街が誕生
・日本初の第一国立銀行は日本橋で誕生した
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・神田から始まった日本の近代下水道モデル
・都営白鬚東アパートは巨大防火壁だった!
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