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箕面の滝が人工の滝だという噂が立つ

そんな箕面大滝に2006年、ある疑惑が持ち上がりました。在阪テレビ局が「箕面大滝に流れ落ちる水は、ポンプで吸い上げたもの」と報じたのです。このあと、市民や大阪府民の間に、「箕面の滝はつくりもん」という話が広まってしまいます。

結論から言えば、この話は完全にデマです。箕面市はホームページで「箕面大滝は人工の滝なのですか?」「いいえ、違います。箕面大滝は人工の滝ではありません。」というQ&Aを公開し、きっぱりと否定しているのです。

箕面の滝が人工滝だというデマの発端

疑惑の発端は、滝の上流にある箕面川ダムのさらに北を通る箕面グリーンロードでした。1998年から着工し、2007年に開通した箕面グリーンロードの正式名称は、「箕面有料道路」。新御堂筋の終点から鉢伏山のほうへ延びていくトンネルで、2017年には新名神高速道路と接続しました。

人工滝のデマには、「トンネルの工事の過程で水系が変わり、水が涸(か)れた」というそれらしい理由がついていました。

しかしこれも、箕面市は「滝を流れる水の量は、降雨量に連動して増減しています。それは、トンネル工事の前も後も関係ありません。」と否定しています。箕面市からすれば、まったくの誤解をもとにした報道で観光に影響が出てしまったら、たまったものではないでしょう。

箕面大滝周辺

トンネルの工事の際に、湧水が発生したことは事実。箕面市は、この湧水をポンプでくみあげて河川に放水しています。ただし、放水している場所は、ダムよりさらに上流であり、その量も毎分1㎥とごくわずかです。

箕面の滝の水量は降雨量による

実際に滝を流れ落ちる水量は、このころ減っていました。その理由は、2006年より前の3年間の降水量が少なかったため、箕面山系の川の水量が自然に減少したというのが真実です。

事情をいまだに理解していない人は多く、2020年にも報道番組のコメンテーターが「滝の水が涸れた」と発言し、のちに謝罪したことがありました。

箕面のもう1つの観光の柱はサル!

箕面のもう1つの観光の目玉は、箕面山のサルです。こちらは、1954年に野生のニホンザルの研究と観光を目的として餌付けがはじまりました。1956年には天然記念物に指定され、観光客を集めることに成功します。

ところが、人に慣れたサルが土産物店を荒らしたり、観光客を襲ったりしたために問題となり、餌付けは中止。いつの間にか、サルは地元の人にとって厄介者になってしまいました。2010年、箕面市は本来の野生の生活を取り戻すことを目標として、「サル餌やり禁止条例」を施行しています。

観光の目玉である滝とサルによって、市が困ってしまうこともあったのです。

箕面電車に乗ってやってきた漱石

文豪・夏目漱石の長編作品『彼岸過迄』に、箕面が登場します。1911年の夏、漱石は大阪朝日新聞主催の講演旅行で関西にやってきました。このとき、梅田から「箕面電車」(箕面有馬電気軌道、阪急電鉄の前身)に乗って、箕面を訪れたのです。滝を見物し、地元の老婆の会話を聞いて、作品に取り入れています。

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