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才学に富み、笛の名手だった一条天皇

一条天皇は学問に造詣が深く、笛の名手だったと伝わります。皇后の定子の女房だった清少納言が執筆した『枕草子』では、定子を寵愛し、年若い闊達なふたりの仲睦まじい様子が伝えられています。また、一条天皇は思いやりが深く、民が冬の寒さに耐えていることを思い、自らも寒い夜に衣を脱ぎ捨てた逸話も残されています。

一条天皇の下では藤原行成(ゆきなり)や藤原斉信(ただのぶ)など有能な能吏が輩出され、その治世を支えたといわれます。
一条天皇の中宮彰子の女房だった紫式部とも、彰子を通しての関係であり、『紫式部日記』において、行幸の場面を伝えています。

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世界最古の長編小説ともいわれる『源氏物語』は、平安時代の宮廷を舞台に展開される主人公・光源氏と女性たちの恋愛模様を描いた物語で、今もなお多くの人に愛読される日本文学の古典です。ですが、全54帖という長編ゆえに最後まで読み通すのは大変困難な作品であることでも知られています。
本書はこの大長編小説『源氏物語』のあらすじと、作者・紫式部の人と生涯を図版と地図を豊富に用いながらわかりやすく解説した『源氏物語』の入門書です。

【第1部】紫式部とその時代
〔第1章〕平安時代の後宮生活
〔第2章〕紫式部の生涯

【第2部】 押さえておきたい『源氏物語』
〔第3章〕光源氏の青年時代―恋の旅路を歩む貴公子
〔第4章〕栄華の頂点―位人臣(くらいじんしん)を極めた光源氏
〔第5章〕宇治十帖―光源氏亡き後の世界

【監修者】竹内正彦

1963年長野県生まれ。國學院大學大学院博士課程後期単位取得退学。博士(文学)。
群馬県立女子大学文学部講師・准教授、フェリス女学院大学文学部教授等を経て、現在、國學院大學文学部日本文学科教授。専攻は『源氏物語』を中心とした平安朝文学。著書に『源氏物語の顕現』(武蔵野書院)、『源氏物語発生史論―明石一族物語の地平―』(新典社)、『2時間でおさらいできる源氏物語(だいわ文庫)』(大和書房)、『図説 あらすじと地図で面白いほどわかる!源氏物語(青春新書インテリジェンス)』(青春出版社、監修)、『源氏物語事典』(大和書房、共編著)ほか。

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