更新日: 2024年9月19日
巨大経済圏構想のさまざまな問題とは?~離脱が続く一帯一路
世界第2の経済大国となった中国は、一帯一路という巨大経済圏構想を進めています。
習近平国家主席が掲げる構想のスタートから10年。
一帯一路の光と闇にせまります。
巨大経済圏構想の裏にあった罠
一帯一路とは、北京からユーラシア大陸を横断してヨーロッパに至る「陸のシルクロード(一帯)」と南シナ海、インド洋を経て地中海に入る「海のシルクロード(一路)」から成る物流ルートを整備して貿易を活性化させ、沿線地域を中心に経済発展を図ろうとするプロジェクトです。
2013年に習近平国家主席が提唱してからすでに10年が経過し、中国と沿線国の貿易額は順調に増加しているようにみえます。しかしその一方で、ほころびも多く、国際問題に発展するケースも出てきました。よく知られているのが「債務の罠」と呼ばれる問題です。
一帯一路構想に参加したスリランカは、中国の主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)の貸し付けを受け、ハンバントタ港を整備しました。しかしその後、債務不履行に陥ったため、契約により同港の99年にわたる運営権を中国に貸与しなければならなくなりました。スリランカの港が中国の植民地同然にされてしまったのです。
ハンバントタ港と同じような港湾は、パキスタンやアラブ首長国連邦(UAE)にもあり、今やそれらは中国の海上交通路の要衝となっています。
沿線国の対中貿易額
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