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なぜ中東で戦争が続くのか~第一次世界大戦から現在までを追う

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年8月29日

なぜ中東で戦争が続くのか~第一次世界大戦から現在までを追う

中東で続く戦争…第一次大戦後に強まる列強支配、パレスチナが大きな懸案事項になっていきます。イスラエル建国で中東・アラブは激怒しパレスチナ問題が大きな難題となります。度重なる戦争が繰り返されていきます。

第一次世界大戦という戦争が、中東に影響を及ぼす

第一次世界大戦という世界を巻き込んだ戦争は、中東・イスラム世界に現在まで残る影響を与えました。近代化と自らのアイデンティティとの葛藤、また民族独立の機運の高まりです。

共和国となったトルコでは憲法を公布し司法を西洋化、政治に宗教を持ち込まない政教分離を徹底し、西洋式の太陽暦やメートル法を導入、トルコ語をローマ字化しました。イランでも民族運動が高揚、英ソ角逐のもとクーデターでレザー・ハーン(位25〜41)が25年パフレヴィー朝を創始、ケマル型の西洋化を進め自ら王となり独裁的な権力を振るいました。

オスマン領シリアとイラクでは独立の機運が高まりアラブは反乱、第一次大戦時これを西洋列強が利用しました。15年にフサイン=マクマホン協定でアラブの対オスマン参戦と戦後の独立をイギリスが約しましたが、16年列強間で結ばれたサイクス=ピコ協定によるオスマン領分割案に従い、戦後シリアはフランス委任統治領に、イラクはイギリス委任統治領となりました。独立の約束を反故にされアラブは激高、独立運動が激化します。

戦争中から西洋に利用される中東・イスラム世界

18年米ウィルソン大統領の発表した第一次大戦の講和原則=14カ条の平和原則は植民地問題の公平な調整を含み、当時アメリカを反帝国主義と見なした植民地の人々に歓迎されました。第一次世界大戦という戦争は、石油の時代の到来を告げたのです。

19世紀末の第2次産業革命で石油・電気といった新動力源が実現しましたが当初石油は重視されず、1901年カージャール朝イランは北部を除く全土の独占的石油開発利権をイギリスに売りました。この後欧米で自動車が普及、第一次大戦では石油を動力源とする戦車や軍艦、爆撃機が投入されます。石油の価値は圧倒的に高まりましたが、中東イスラム地域の石油利権はすでに西洋のものになっていたのです。

第一次世界大戦後のイスラム世界

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