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アラル海はかつての10分の1の大きさ

しかし現代のアラル海はほぼ干上がってしまい、かつての10分の1の大きさになったと推定されています。かつてアラル海の湖底であった場所は、今は乾燥した荒野が広がるばかりで、打ち捨てられた船がわびしさを誘います。アラル海では、水の蒸発によって塩がたまり塩害が発生。またかつて流れ込んだ化学肥料が有害物質としてたまり、アラル海は人が暮らせるような環境ではなくなったのです。

アラル海が干上がった原因

アラル海が干上がった原因は、ソ連による灌漑事業です。アムダリアとシルダリアの水を灌漑用水として使い、世界有数の運河を造って綿花栽培を行ったのです。このおかげで中央アジア諸国は綿花の産地となり、軽工業が発展しました。母なるアラル海が干上がることを代償として。ソ連はアラル海と綿花を天秤にかけて綿花の方をとったと、揶揄されることがあります。

現在はアラル海の北部でシルダリアの水量をコントロールし、アラル海のこれ以上の干上がりを防ぐとともに漁業を復活させる取り組みが始まっています。アラル海が、元に戻るのは難しい。しかし完全消滅は免れそうです。

『地図でスッと頭に入る中東&イスラム30の国と地域』好評発売中!

ヒット商品『地図でスッと頭に入る』海外シリーズの第4弾。宗教・民族対立、石油資源競争・・でつねに紛争の絶えない中東は、昔から日本人にとって遠い存在の地域であり続けた。しかしながら、日本がもっとも石油資源を依存している地域でもあり、われわれ日本人はこの地域に無関心ではいられないはずである。また、中東および中央アジア、北アフリカはイスラム教が最も普及しており、イスラム教なくしてこの地域を語ることはできないほどである。
本書は、これら中東・中央アジアの国々について、他の関連図書よりもわかりやすく解説する入門書となることを目指します。

その国や地域の概略がスッとわかる、1カ国ごとに見て楽しいイラストマップを掲載

好評を得た「地図でスッと頭に入るアメリカ50州」「同 ヨーロッパ47カ国」「同 アジア25の国と地域」に次ぐ第4弾。日本人にはなかなか馴染みのないその国について知っておきたい知識がスッと頭に入ります。この本を読んでおけば、日本にいる中東出身の人たちともコミュニケーションが盛り上がること間違いなし。
また、ヨーロッパ版では1カ国につき2ページの展開でしたが、今回の中東版では主要な国と地域についてはページを増やして、より詳しく紹介しています。

掲載している国・地域

イラン/イラク/トルコ/シリア/レバノン/イスラエル/パレスチナ(ヨルダン川西岸、ガザ地区)/サウジアラビア/クウェート/バーレーン/カタール/アラブ首長国連邦/オマーン/イエメン/エジプト/スーダン/リビア/チュニジア/アルジェリア/モロッコ/アフガニスタン/カザフスタン/ウズベキスタン/キルギスタン/タジキスタン/トルクメニスタン/アゼルバイジャン/ジョージア/アルメニア

【監修者】高橋和夫 (たかはし・かずお)

福岡県北九州市生まれ、大阪外国語大学外国語学部ペルシア語科卒、コロンビア大学国際関係論修士、クウェート大学客員研究員、放送大学教員などを経て2018年4月より一般社団法人先端技術安全保障研究所会長。主な著書に『アラブとイスラエル』(講談社1992年)、『イスラム国の野望』(幻冬舎、2015年)、『世界の中の日本』(放送大学教育振興会、2015年)、『中東から世界が崩れる』(NHK出版、2016年)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会、2018年)、『国際理解のために(改訂版)』(放送大学教育振興会、2019年)、『中東の政治』(放送大学教育振興会、2020年3月)、『最終決戦トランプVS民主主義―アメリカ大統領選挙撤退後も鍵を握るサンダース』(ワニブックス、2020年7月)など。

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