更新日: 2024年8月20日
中東の巨人サウジアラビアとイランの冷え切った関係と喧嘩のきっかけ
サウジアラビアとイラン国交断絶問題は、関係緩和に向けて動き出しています。中東世界の2大大国であるサウジアラビアとイラン、2国間の関係と思惑を見ていきます。
目次
サウジアラビアとイランの関係は、宗派の違いにとどまらない
中東の地域大国であるサウジアラビアとイランは仲が悪い。もう何年も関係が冷え込んだままです。サウジアラビアとイランの仲違いの原因は、中東政治とイスラム教を知る好材料といえるでしょう。
まず理解しておかなければならないのは、イランがペルシャ人の国であることです。イラン人はアラブ人ではありません。対するサウジアラビアは「アラビア」という名前の通り、アラブ人の国家です。イランがシーア派の国、サウジアラビアがスンナ派の国である前に、そもそも民族が違います。政治体制も異なりサウジアラビアが王制である一方、他方のイランは1979年の革命以来イスラム共和制をとっています。
サウジアラビアとイラン両国は中東の各地で対立してきました。イラクでもシリアでも、そしてイエメンでもそれぞれの支持を受けた勢力が争っています。
サウジアラビアとイランを敵対させた決定的な事件
こうした背景にあって、2016年のある出来事によりサウジアラビアとイラン両国の間に決定的なひびが入りました。2016年1月にサウジアラビア政府が、同国のシーア派指導者であるニムル師を処刑したのです。
当然この行いに対し世界各地のシーア派の人々が反発しました。シーア派の大国イランでは、同国にあるサウジアラビア大使館を焼き討ちにしています。大使館焼き討ちに対する措置として、サウジアラビアはイランとの外交関係の断絶を発表します。同時にサウジアラビアの近隣諸国の一部も、大使を召還するなどイランとの外交関係を格下げしたのです。
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