デカップリングとデリスキング～米中対立で互いの「切り離し」が進む～

２０１８年からはじまった米中貿易戦争では、アメリカが中国に対してさまざまなデカップリングを行いました。

１つ目はヒトへのデカップリングです。中国は世界中から在外中国人技術者などを集め、最先端の研究や技術を得ていました。そこでアメリカは、軍事技術の開発に携わる中国人の入国を停止しました。

２つ目はモノへのデカップリング。半導体などの重要な戦略物資を中国に依存せずにすむようにするため、生産拠点をアメリカ国内に移すなどして、供給網から中国を切り離しました。

３つ目はカネへのデカップリングです。２０１８年に外国投資リスク審査現代化法をつくり、中国をはじめとする海外からアメリカ事業への投資を制限。さらにドルの中国流出を防ぐべく、２０２０年に外国企業説明責任法を制定し、外国企業の上場基準を厳格化しました。