更新日: 2024年8月29日
中東の歴史を解説しよう~イスラムの誕生からオスマン帝国の滅亡まで
複雑に絡み合う中東の歴史。端的に理解するためには、中東の歴史のあらすじを把握しましょう。預言者ムハンマドの時代からオスマン帝国の滅亡まで、図解や地図で理解していきます。
目次
- 中東の歴史を知るために、まずはあらすじから全体像をつかむ
- 中東の歴史の中で、近代イスラム教の最大の変化は政教分離と世俗化である
- 地図で見る中東の歴史。イスラム世界はどのように変遷していったのか
- 中東・イスラムの歴史は、預言者ムハンマドから始まった
- 中東の歴史の基礎となるイスラム世界を形成した、正統カリフ時代を知る
- 中東の歴史でイスラム黄金期だったウマイヤ朝・アッバース朝
- 中東の歴史の中でおこったイスラム帝国の拡大と分裂、セルジューク朝
- 中東の歴史上、最初の危機は東西から来襲した外敵、十字軍とモンゴル軍だった
- イスラムは再生する。中東の歴史で栄華を誇ったオスマン帝国
- 『地図でスッと頭に入る中東&イスラム30の国と地域』好評発売中!
中東の歴史を知るために、まずはあらすじから全体像をつかむ
中東とイスラムの歴史は魅惑的ですが、とっつきづらい。その一番の理由は、イスラム教をどう捉えれば良いのかわからないからです。宗派の違いは、何度聞いても頭に入ってきません。イスラム教徒以外の人には、結局理解できないのだろうと観念してしまいます。
けれど最初に知っておくと、一気に中東とイスラムの歴史が把握しやすくなる知識があります。それは中東の歴史において、イスラム世界ではこれまでに2度テンションが爆上がりし、現代は3度目のテンション爆上がりの最中にあるということです。
中東の歴史の全体像
【1度目の盛り上がり】
アラビア半島のアラブ人がイスラム教を誕生させると、その革命的な教えに可能性を感じた人が増え、一気にイスラムが広がりました。
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しかし、ヨーロッパの十字軍と、モンゴルに攻められて盛り下がりました。
【2度目の盛り上がり】
中央アジアから来たトルコ系の人々がイスラム教のオスマン帝国を建て、西洋を凌駕する力を持ちました。モンゴルに痛めつけられたイスラムが復活しました。
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しかし、やがて近代ヨーロッパに人や物を含む資源を奪われ衰退しました。
【3度目の盛り上がり】
現代では近代ヨーロッパを真似て、イスラムの伝統を改革した国が力を維持しています。しかしそれでも豊かさを享受できない人が増えて不満がたまり、だったら昔のように伝統を守る生活に戻ろうという運動が盛んになっています。
図解で見る3回の盛り上がりをチェック!
日本も経験した?変化を余儀なくされたことへの反発
この大きな流れを覚えると、中東各国の個別の出来事や重大な事件を、歴史の流れの中に当てはめて考えるようになって理解が進みます。そしてイスラム世界は、外敵から攻められてきた歴史を持っていることがわかります。もっというと近代ヨーロッパがやって来て変化を余儀なくされ、「現代はその余儀なく変化したことに対する反発が高まっている時代」であることが見えてくるのです。
自分たちが長い年月をかけて培った伝統を、否定し捨てる。でも捨てられないものもあるし、捨てることで得た新しいものにうまく心身が馴染まない。明治の日本人が経験した悩みと同じです。
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