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【千葉の近代】商業の発展と中心地で進む都市化
しかし、こうした特性は鉄道が敷設されて以降、徐々に変化していきました。1894(明治27)年、千葉県内では最初の鉄道となる総武本線が市川~佐倉間と市川~本所(現在の錦糸町駅)間で開業。以降も続々と鉄道が開通し、東京への輸送力が格段に向上したことにより、千葉の商業は大いに発展します。かくして、千葉市などの経済的な中心地では都市化が進んでいきました。
【千葉の近代】戦時中の軍都化と空襲被害
戦時中の千葉県では、千葉、佐倉、館山、松戸、柏、習志野、船橋、市川など県内各地に軍事施設がつくられ、「軍都」と呼ばれるようになりました。
軍需工場は千葉県内の雇用を増やしたものの、アメリカ軍による戦略爆撃の標的とされ、県内の軍事施設は軒並み空襲被害を受けることになってしまいます。とくに被害が甚大だったのは千葉空襲(1945年6月10日・7月7日)と銚子空襲(同7月19日)で、いずれも1000人以上の死傷者を出しています。
【千葉の近代】戦後の工業化と京葉工業地帯の形成
農業県、軍都といった千葉県の特性は、戦後になって一変します。敗戦後、東京湾沿岸部の旧軍事施設跡地や埋立地に川崎製鉄の工場や東京電力の火力発電所が建設されると、数多くの企業(工場)が進出。内房の沿岸部は急速に工業化が進み、京葉工業地帯を形成しました。
そして、高度成長期を迎えると、工業地帯で働く労働者の住宅地として県内各地にニュータウンが造成され、県内人口は爆発的に増加します。1968(昭和43)年に300万人を突破した県民人口は、わずか6年後の1974(昭和49)年にはほぼ400万人に到達するのでした。
【千葉の近代】工業化による環境問題と今後の工業都市のあり方
しかし、急速な工業化と宅地造成によって、深刻な環境問題がもたらされたのも事実です。 騒音、大気汚染、水質汚濁などの公害が相次ぎ、天然ガスの採掘や地下水の過剰汲み上げを原因とする地盤沈下も起きました。また、成田空港の建設では住民の反対運動を招き、乱開発による“ひずみ”が県内各所で生じることとなりました。
現在、千葉県はこれら環境問題に対処すべく、その防止にも力を入れ、バイオ燃料などの新たなエネルギー産業の育成も試みています。高度成長期に日本経済を牽引した千葉は、今、新しい時代の工業都市のあり方を模索しています。
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【注目1】千葉の地質・地形を徹底分析
・市原市を流れる養老川河岸の露頭に約77万年前の地層チバニアン発見!
・恐竜時代の岩石がむき出しの見て楽しい銚子のジオ巡り
・火山がない県なのに鴨川に海底火山が流出?
・繰り返される巨大地震の爪痕・南房総に発達する海岸段丘
・鋸山の絶景をつくった「房州石」とはどんな石?
・・・などなど、千葉のダイナミックな自然の成り立ちを解説。
【注目2】古代から中世、江戸時代、近現代の千葉の歴史を一望
・ふたつの大型環状貝塚からなる巨大な加曾利貝塚の謎
・32基もの古墳がつくられた富津の内裏塚古墳群とは?
・鴨川市小湊がゆかりの地、高僧・日蓮の波乱に満ちた生涯
・坂東太郎の流れを変えた徳川家康の利根川東遷
・日本地図を完成させた佐原村の名主・伊能忠敬の素顔
・廃藩置県で26県もあった千葉県域をどうやって統一?
・・・などなど、千葉の歴史のポイントがわかる。
【注目3】千葉を駆け巡る鉄道網をはじめ、千葉で育まれた文化や産業を紹介
・民鉄最高速160キロでスカイライナーが走れる理由
・成田空港線の高架橋は成田新幹線の遺構だった
・登山鉄道も計画された小湊を目指した小湊鉄道
・かつて千葉市の中心駅は京成千葉駅だった!?
・・・などなど、千葉を走る鉄道網の秘密に迫る。
また、銚子港が水揚げ量日本一を誇る理由や明治期最先端の土木技術が光る海の要塞・第二海堡とは?、皐月賞や有馬記念の舞台として知られるJRA中山競馬場の誕生秘話・・・など、千葉県にまつわる文化・産業の面白話もたっぷりと紹介します。
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