1590（天正18）年、豊臣秀吉の小田原征伐により北条氏が滅びると、北条氏の命で設置された牧は廃れてしまいます。しかし、家康が関東へ移封してくると、下総台地は家康の支配下に組み込まれ、江戸幕府の成立とともに幕府の直轄地となりました。

1614（慶長19）年、下総台地の西側に小金牧、東側に佐倉牧が設置されます。これらの牧は、のちに小金五牧（中野、下野、上野、印西、高田台）、佐倉七牧（油田、矢作、取香、小間子、内野、高野、柳沢）に仕分けられました。牧には野馬土手が築かれ、その内側で野生の馬が放し飼いにされ、年に一度の「野馬捕り」によって捕獲されました。

また、小金中野牧では徳川将軍家によって鹿狩りも実施されました。８代将軍・吉宗の代から４回ほど行われましたが、幕府滅亡後は困窮農民の救済のため、明治新政府は小金牧と佐倉牧を閉鎖。こののち、下総台地は開墾されていくことになります。

関東農政局HP、『図説 千葉県の歴史』（河出書房新社）など各種資料を元に、概略図として現代地図に牧を再現。なお、捕獲された馬は、軍馬としては使われず、おおむね民間に払い下げられていたといいます。

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