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【房総半島の歴史】鎌倉公方の支配下で翻弄された
1333(元弘3・正慶2)年、新田義貞が鎌倉を攻め落として鎌倉幕府は滅亡します。室町幕府が開かれると、再び日本の政治の中心地は京に移りますが、室町幕府は関東10カ国(相模、武蔵、安房、上総、下総、常陸(ひたち)、上野(こうずけ)、下野(しもつけ)、伊豆、甲斐)を統治するための出先機関として鎌倉府を設置します。こうして房総の3カ国は、鎌倉府の長官である鎌倉公方(くぼう)に従うことになります。
ところが、鎌倉公方は独立心が強く、幕府や関東管領(かんとうかんれい)(鎌倉公方の補佐役)とたびたび衝突し、そのたびに房総の国人領主たちは主君の動向に翻弄されました。
【房総半島の歴史】鎌倉公方と関東管領の対立で混迷
1415(応永22)年、関東管領・上杉禅秀(うえすぎぜんしゅう)は、鎌倉公方・足利持氏(あしかがもちうじ)と対立した結果、関東管領職から更迭されてしまいます。このとき禅秀は、関東の国人衆に協力を呼びかけ、持氏に対し反乱を起こします(上杉禅秀の乱)。
乱は幕府が持氏を支援し、禅秀の敗死によって終結しますが、上杉氏の領国である上総国では、1418(応永25)年に武士たちが一揆を起こしました(上本揆(かずさのほんいっき))。
鎌倉公方と幕府との対立により騒乱が続く房総半島
関東の騒乱は収まりません。上杉禅宗の乱では幕府の協力を仰いだ鎌倉公方でしたが、次第に幕府に背くようになり、ついには敵対します。そして、1438(永享10)年には幕府から持氏討伐の命令が下ります(永享の乱)。この乱で鎌倉公方・足利持氏は自害し、鎌倉府は廃止となりました。
房総半島を2分した反乱とさらに続く争乱
しかし、1440(永享12)年に6代将軍・足利義教(よしのり)が、実子を鎌倉公方として下向させようと画策すると、関東の諸将が亡き足利持氏の遺児(足利成氏(しげうじ))を擁立し、幕府に対して反乱を起こしたのです。(結城戦(ゆうきかっせん))。
この合戦では、房総一帯の国人領主たちが関東管領派(幕府方)と鎌倉公方派に分かれて戦いました。結局、幕府方が勝利し、足利成氏は京に送られました。
ほどなくして将軍・足利義教が暗殺される(嘉吉(かきつ)の乱)と、関東諸将の要請で足利成氏が鎌倉に帰還し、鎌倉府が復活。成氏は父と同様、関東管領や幕府と対立し、およそ28年間続く享徳の乱が起きます。
【房総半島の歴史】戦国時代への突入と新勢力の台頭
こうした未曾有の動乱によって、関東は全国に先がけて戦国時代へと突入しました。房総の3カ国では、既存権威の争いに巻き込まれ続けた結果、千葉氏などの有力な国人領主は疲弊していきました。このような理由で、房総半島に強大な権力が生まれることはなかったのです。
しかし、この戦乱の最中に、実力で在地を支配した勢力が台頭してきます。上総国では、鎌倉公方の近臣だった上総武田氏(のち真里谷氏と改姓)が真里谷城(木更津市)を本拠とし、安房では里見氏が白浜(南房総市)を拠点に勢力を広げていったのです。
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