更新日: 2024年7月1日
ルースキー・ミール! ロシアのウクライナ侵攻の背景にある独自の思想概念
2022年2月、ウクライナに侵攻したプーチン大統領率いるロシア。
武力をもって隣国に攻め入った地政学的理由としては、NATO(北大西洋条約機構)の東方拡大が挙げられますが、ルースキー・ミール(ロシアの世界)と呼ばれる思想の影響も見逃せません。
ルースキー・ミールとは?
ルースキー・ミールとは、ロシア語を話し、キリスト教の一派であるロシア正教会の影響下にある地域を独自の文明圏とみなす概念で、ロシアをはじめベラルーシやウクライナがその範囲に含まれます。
歴史を遡ると、確かにロシア、ベラルーシ、ウクライナの3ヵ国は、9世紀に現在のウクライナの首都キーウを中心として建国されたキエフ・ルーシ公国にルーツがあります。同国は東スラブ系民族史上初の統一国家で、キエフ大公ウラジミール一世やその息子ヤロスラフの時代(10〜11世紀)に欧州最大の版図を確立し、13世紀まで存続しました。
また同国においてキリスト教(ロシア正教会)を国教としたのがウラジミール一世で、現在、世界遺産に登録されている聖ソフィア大聖堂を建設したのがヤロスラフと、キーウはロシア正教会にとっての聖地とみなされています。
キエフ・ルーシ公国はモンゴルの侵攻によって1240年に崩壊しました。しかし、その後に成立したモスクワ大公国が勢力を拡大。18世紀以降はロシア帝国が東へと版図を拡大し、現在の膨大な領土を築くに至ったのです。
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