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山崎の戦いで羽柴(豊臣)秀吉と明智光秀が対峙

1582年6月3日に信長の死を知った秀吉は、備中高松(現・岡山市)で交戦中だった毛利家と和睦を結ぶと、即座に京へと引き返します。約200㎞の道のりを10日で踏破する「中国大返し」を成功させ、織田軍の諸将と合流。信長の子である信孝(のぶたか)を総大将とする約2万7000 の兵を率いて光秀の討伐に向かいました。

現在の岡山県から京都府までを、たった10日間で駆けたといわれています。

いっぽうの光秀は京や居城・坂本城のある近江(現・滋賀県)周辺の勢力をまとめられず、 兵力は約1万6000でした。

両軍が山崎に流れる円明寺川(えんみょうじがわ)(現・小泉川)を挟んで対峙したのは6月12日。秀吉は天王山(てんのうざん)中腹にある宝積寺(ほうしゃくじ)を本陣とし、光秀は境野(さかいの)の古墳群の御坊塚(ごぼうつか)に陣を構えたとされてきました。

なお、光秀の本陣がどこにあったかは諸説あり、現在は長岡京市(ながおかきょうし)の恵解山(いげのやま)古墳だとする説が有力視されています。

山崎の戦い布陣

円明寺川を挟んで対峙する明智軍と秀吉軍。戦いのはじまりは伊勢貞興隊による中村清秀隊への攻撃で、同時に猛攻を受けた高山右近隊も苦戦を強いられました。

しかし、援軍が間に合い防衛に成功。池田恒興隊などの奇襲で津田信春隊は壊滅に追い込まれ、光秀は山崎からの撤退を命令しました。

羽柴(豊臣)秀吉の勝利と明智光秀の落命

山崎の戦いは、兵力に勝る秀吉軍の勝利に終わりました。光秀は本陣近くの勝竜寺城(しょうりゅうじじょう)に一時滞在しますが、秀吉軍の追撃を受けて放棄。坂本城へ戻る途中に農民の落ち武者狩りにあって命を落としました。

山崎の戦いと天王山の通説

その後、秀吉は山崎の地に城を築いて、大坂城が完成するまで本拠地とします。その大きさは東西約250m、南北約200m。天守が存在したかどうかは不明ですが、本丸の北側には天守台と考えられる小曲輪があり、今も石垣や井戸の跡が天王山に残っています。

なお、これまで天王山が山崎の戦いでの激戦区とされていましたが、現在、その通説は覆されています。天王山の争奪戦が起こったのは、山崎の戦いの前日で、軽い撃ち合いで終わったといいます。一説によれば、ほとんど戦うことなく秀吉軍が奪取したとされています。

山崎の近傍「水無瀬神宮「に残されている五右衛門(ごえもん)の手形

大阪府島本町(しまもとちょう)に鎮座する水無瀬神宮(みなせじんぐう)の境内で湧き出る「離宮の水」は、近隣にあるサントリー山崎蒸溜所でつくられるウイスキーに使われるほどの名水です。

その神門に残されているのが、戦国時代末期の盗賊、石川五右衛門の手形です。五右衛門は神社の神刀を盗もうとしましたが、あまりの神々しさに門すらくぐれません。数日後にあきらめ、その去り際に手形を残したとの伝承が残ります。

真偽のほどは定かではありませんが、神門は国の登録有形文化財となっているほどの名建築です。

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