更新日: 2024年7月3日
イギリスが選んだ「ブレグジット」、その選択は正しかったのか?
EU(欧州連合)は1993年に発足してから徐々に加盟国を増やし、今は27ヵ国になっています。
しかし、そのEUから2020年に初の離脱国が出ました。
それはイギリスで、ブレグジット(British:ブリティッシュ+Exit:出る)と呼ばれています。
ブレグジットとオフショア・バランシング
ブレグジットの背景には、島国イギリスの伝統的な外交スタンスがありました。
19世紀前半、強大なシーパワーで世界の覇権を握ったイギリス(大英帝国)は、ヨーロッパ諸国に対してオフショア・バランシングという外交政策で臨みました。オフショア、すなわち沖合の離れた位置から大陸の情勢を観察し、最善の手を打つというものです。たとえば、ナポレオン率いるフランスやヒトラー率いるナチス・ドイツのように突出した強国が現れ、勢力の均衡が崩されそうなときには、他国と連携して抑えにかかりました。
EUとも一定の距離をとってきました。統一通貨ユーロの導入を見送ったり、パスポート不要で加盟国間を自由に移動できるシェンゲン協定に参加しないといった具合です。
そんなイギリスがブレグジットを決めた理由のひとつは移民問題でした。
オフショア・バランシングとブレグジット
イギリスの外交の基本スタンスは、ヨーロッパ諸国(大陸)から一歩距離を置くオフショア・バランシング。沖合の離れた位置から大陸の情勢を観察し、最善の手を打ちます。
対フランス
1790年代末
ナポレオン率いるフランス軍の脅威を排除するため、欧州各国に対仏同盟を呼びかける。
対ドイツ
1940年代
欧州を席巻するナチス・ドイツを叩くため、連合国のひとつとして第二次世界大戦を戦う。
対EU
1990年代後半
ユーロ導入の見送り、シェンゲン協定の不参加などを決定する。
2010年代後半
移民問題の解決策のひとつとして、EUからの離脱を決定する。
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