米が中国とインドの人口増加を支えた
農業大国である中国とインドの米の生産量をみると、中国が2億1186万トンで世界一、インドが1億7831万トンで第2位となっており、2ヵ国だけで世界の生産量の約半分を占めます。
米は炭水化物、タンパク質、脂質、ミネラル、ビタミンといった多様な栄養素を含む優れた食物。同じ面積で養える人数(人口支持力)も多く、安定的な人口増を可能にしました。
また米の栽培には高温で降水量が多い地域が向いており、その点でも中国南部とインド東部は安定した収穫が見込めます。水田で栽培されるため土壌が荒れにくい、同一作物を作り続けることで土壌が悪化して収穫量が落ちる連作障害が起こりにくいといった強みもあります。
この優れた米という穀物を、中国とインドは早くから食べてきました。そのおかげもあって、人が増え、現在のような人口大国へと発展したのです。
米の主要生産国と世界人口の関係
米の生産量(2020年)
1位 中国(2億1186万t)
中国の米の生産量はすべての食糧生産量の約4割を占める
2位 インド(1億7831万t)
3位 バングラデシュ(5491万t)
4位 インドネシア(5465万t)
5位 ベトナム(4276万t)
タイ(3023万t)
ミャンマー(2510万t)
フィリピン(1929万t)
日本(971万t)
パキスタン(842万t)
ナイジェリア(817万t)
イタリア(151万t)
ブラジル(1109万t)
アメリカ(1032万t)
出所:FAOSTAT
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なぜロシアはウクライナに侵攻したのか?中国が台湾統一を望む理由、ミサイルを発射し続ける北朝鮮、次の成長国はどこ?「グローバル・サウス」の共通点とは?アメリカの中東離れのきっかけとなったシェール革命、米中半導体戦争の最前線に立つ台湾、中国の「新地図」に怒り心頭な周辺国…などなど、世界を揺るがす国際情勢や経済事情、紛争と諸問題のエポックのなかから地理的要因のあるテーマを選び、地図や図解をつかって地政学的にひも解いた一冊です。
序章 地政学の基本を押さえよう
【地政学の概念】政治、経済、軍事、社会などより「地理」に着目することによって国際情勢を読み解こうとする学問
【バランス・オブ・パワー】対抗勢力が台頭してきたら、別の勢力と協力して叩きつぶす―。それが覇権国が立場を守る方法
【陸の力・海の力】中国やロシアはランドパワー、アメリカや日本はシーパワー。どちらが強くて優位性があるのか?
【ランドパワー対シーパワー】ランドパワーとシーパワーが何度も衝突を繰り返してきたリムランドと呼ばれる緩衝地帯
【シーパワーと世界覇権】海を制するものは世界を制する―。シーパワーを高めるために重要な海の通り道を押さえる方法とは?
第1章 地政学でよくわかる世界の最新ニュース
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【ウクライナ戦争】欧米諸国の軍事同盟NATOとロシアの対立が、ウクライナへの侵略を招いた!
【米中対立】覇権勢力と新興勢力の戦いはもはや運命なのか!? 激化するアメリカと中国の対立
【北朝鮮の核兵器・ミサイル開発】核開発やミサイル発射を続け、国際社会に脅威を与える北朝鮮。その背景にみえる地政学的理由とは?
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【中国とインドの人口増加】インドが中国を抜いて世界一に! アジアの二大巨頭が人口大国になったのはなぜ?
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第2章 大国の戦略・思惑を地政学で読み解く
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第4章 各地で起こる紛争や諸問題を地政学で学ぶ
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【監修者】鈴木達人(すずきたつじん)
地理の予備校講師。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)アラビア・アフリカ語学科卒。スタディサプリをはじめ、全国の大手予備校で地理を教える。講習では100人規模の大教室が満席になる人気講師。おもな著書に『世の中のしくみが氷解する 世界一おもしろい地理の授業』(KADOKAWA)などがある。
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