更新日: 2024年6月27日
リムランドと呼ばれる緩衝地帯とは?
相容れない関係にあるランドパワーとシーパワー。
その2つのパワーがたびたび衝突するのが、リムランドと呼ばれる場所です。
緩衝地帯「リムランド」と海の力が届かない心臓部「ハートランド」
リムランドについて理解するためには、ハートランドという概念を押さえておかなくてはなりません。
ハートランドとは、イギリスの地理学者マッキンダーが1919年の著書『デモクラシーの理想と現実』のなかで提示した概念で、ユーラシア大陸の最奥部(心臓部)、すなわちロシアあたりを指します。寒冷で雨が少ないため、人口があまり多くありません。しかし、シーパワーにここまで攻め入られることはまずないうえ、この地の勢力は各方面に通じる交通路を獲得できます。こうした特徴を考えると、ロシアがいかに攻略しにくい国かが理解できるでしょう。実際、マッキンダーは「ハートランドを制するものは世界島(ユーラシア大陸とアフリカ大陸)を制する。世界島を制するものは全世界を征服する」と述べています。
このハートランドの南側に広がる三日月地帯をリムランドといいます。名づけ親はアメリカの国際政治学者スパイクマンです。リムランドの「リム」とはハートランドの「rim(縁)」のことで、具体的には北西ヨーロッパから中東、インドシナ半島を経て、東南アジア、中国大陸、ユーラシア大陸の東部沿岸地域に至る一帯を指します。
リムランド
●ハートランドの南側に三日月形に広がる
●ランドパワーとシーパワーの緩衝地帯となっている
●温暖な気候と人口、産業に恵まれた都市が集まっている
●ハートランドのランドパワーが進出してくる
ハートランド
●ユーラシア大陸の心臓部(最奥部)
●寒冷で雨が少なく、人口があまり多くない
●各方面に通じる交通路を抑えることができる
●シーパワーがここまで到達することは極めて困難
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