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護摩行を行うのは真言宗と天台宗だけ。護摩行は、大日如来の智慧の火で煩悩を焼き払う密教の修行 123RF

まっぷるトラベルガイド編集部

更新日: 2024年6月10日

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護摩行を行うのは真言宗と天台宗だけ。護摩行は、大日如来の智慧の火で煩悩を焼き払う密教の修行

護摩行は、願いを叶えてもらうものではなく、願いを叶えるための妨げになる煩悩を焼き払ってもらうもの。真言宗と天台宗だけが執り行うという護摩行とは、どのようなものなのでしょう。護摩行には、祈祷の内容により四種類の方法があります。

護摩行は密教の修法の一つ

護摩行は密教の修行の一つ。一般的には加持祈祷(かじきとう)と同一視されることが多いですが、密教では「加持」と「祈祷」を区別しています。加持とは大日如来の慈悲と衆生の信仰心が一つになること祈祷とは仏に自分の願いや意志を届けることを指しています。

護摩行は「護摩壇(ごまだん)に設けられた火炉(かろ)に護摩木(ごまぎ)を焚(た)き、火の前で祈祷する修行」であり、護摩祈祷とも呼ばれます。もともとはバラモン教の「供物を火中に投げ入れ、天の神々のもとに運んで供養する」という祭礼でしたが、紀元前5世紀ごろに仏教と融合。密教の教えの中で発展し、現在の形となりました。日本の仏教宗派の中で護摩行を執り行なうのは、真言宗と天台宗だけです。

護摩行の目的

時代劇などでは、政敵を陥れるために護摩行をするシーンが描かれることがあります。またスポーツ選手が護摩行に取り組むこともあるため、「護摩行とは、仏に自分の願いを叶えてもらうために行うものだ」と思う人もいるかもしれません。しかし正しくは、悟りを開くための修行なのです。

護摩行に用いる火は、大日如来の智慧を象徴しています。本尊の前に護摩壇を組み、火(大日如来の智慧)の前に座って本尊に祈りを捧げることで、煩悩(ぼんのう)が焼き払われ心が浄化されます。浄化された心で本尊と一体となり、悟りを進めるのが護摩行の目的です。

密教系の寺院を訪れると、添護摩木(そえごまぎ)の案内を見かけることがあります。添護摩木とは、祈りを捧げながら火中に投入する小さな薪のこと。添護摩木に氏名と願い事を記入して護摩の火で焼き、願い事を清めて成就を祈願するのです。

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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

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