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【ヴェルサイユ宮殿の歴史】王 ルイ14世の威光とともに増改築が行われる
ヴェルサイユ宮殿の中核となったのは、前王が建てた狩猟用離宮です。これに左右翼屋を増築、いまヴェルサイユ宮殿中央本館2階にある鏡の回廊から見渡せる広大な庭園は、ルイ14世自ら工事現場を見回り細かい指示を出しました。
1682年には王室の公邸としてルイ14世自ら移り住み、かつ政府をここに移転しヴェルサイユ宮殿は大革命までフランスの首府となりました。鏡の回廊完成が1684年。ヴェルサイユ宮殿には国王以下数千人が住まい、細かいマナーなどの秩序を堅持し国王の生活は細部にわたり儀式化されました。
【ヴェルサイユ宮殿の歴史】絶対王政の象徴となった宮殿
ヴェルサイユ宮殿は、絶対王政の象徴となりました。三十年戦争の終結は主権国家体制を確立させ、フロンドの乱の鎮圧は中央集権化強化への道を開き、ブルボン王朝はルイ14世代に最盛期を迎えます。王は大王または太陽王と呼ばれ、18世紀の思想家ヴォルテールは「芸術の完成を見、人智の大を遺憾なく表した聖代」とした西欧史上4時代のうちルイ14世の時代を「4時代中もっとも完全に近い」と褒めそやしました。
一方で大陸制圧の諸戦争を敢行、新教徒弾圧を再開すると諸国や新教徒は反発、王の威光は陰り始めます。ルイ14世の死後もヴェルサイユ宮殿は増改築されましたが、フランス革命で破壊されました。ヴェルサイユ宮殿の修復の大改築は19世紀、ルイ・フィリップ王を待つことになります。
ヴェルサイユ宮殿ガイド~パリ五輪馬術競技の会場周辺エリア~
❶宮殿
宮殿北翼にあるチャペルは、マリー・アントワネットの婚礼で初めて使用されました。
❷庭園
宮殿の西に広がる庭園には各種彫刻が飾られ、見事な噴水や花壇があり、その間を王の散歩道が通っています。
❸グラン・トリアノン
グラン・トリアノンは、ルイ14世の隠居先として建てられましたが、建築家マンサールが新宮殿に造り替えました。王は寵妃マントノン夫人とここで時をともにしました。
❹プチ・トリアノン
プチ・トリアノンはルイ15世が建て、死後ルイ16世が王妃マリー・アントワネットに贈り、妃のお気に入りとなりました。
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第2章 イル・ド・フランス
第3章 フランス北東
第4章 フランス北西
第5章 フランス南東・コルス島
第6章 フランス南西
【監修者】Julie Blanchin Fujita (ジュリ・ブランシャン・フジタ)
1979年、シャラント県生まれ。2004年にストラスブールの国立美術学校(École supérieure des arts décoratifs de Strasbourg)を卒業。翌年からイラストレーターとして活動。
アマゾンを中心にポリネシア、オーストラリアなどを訪れ、現地の日常生活を描く。2008年に南極圏へ向かう取材の途中で東京に短期滞在し、翌年から日本での生活を始める。
2017年に日本の日常生活を綴った『J’aime le nattō(納豆が好き)』を、フランスの出版社Hikari Éditionsから出版しベストセラーに。子ども用ミニ絵本シリーズ『mon imagier japonais』[動物、もの、食べ物編など]を出版しているほか、2015年からNHK出版の「まいにちフランス語」にイラストの連載もしている。2児の母。
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