トップ >  海外 > ヨーロッパ > フランス > 

多彩な魅力があるパリ・セーヌ川右岸

花の都パリで、世界中から大勢の観光客が訪れるのが、パリのセーヌ川の右岸(川の北側にある地区)。世界最大級の美術館であるルーブル美術館をはじめとして、シャンゼリゼ通りと凱旋門など、いわずと知れた観光名所がいたるところにあります。

なかでも、最新モードの発信地として高級ブランドショップが集まるシャンゼリゼ、いくつもの日本食レストランがあるオペラ座付近は、とくに日本人観光客に人気です。そのほかにも、サクレ・クール寺院のあるモンマルトル、瀟洒なブティックや小さな美術館が点在するマレ、運河沿いにカフェや店舗が並ぶサン・マルタン、シックな建物が目を引く高級住宅街の16区など、見どころは尽きません。

エリアによってがらりと雰囲気が変わるパリのセーヌ川右岸はいわば、パリがもっている多面体的な魅力の宝庫。花の都を訪れたら、まず足を運ぶ価値のある場所といえます。パリ五輪では、グランパレとコンコルド広場が競技会場に選ばれています。

パリ市民自慢のシャンゼリゼ通り

パリ市民自慢のシャンゼリゼ通り

「世界一美しい通り」と国民が胸を張るパリの名所、シャンゼリゼ通り。『オー・シャンゼリゼ』という歌になって世界中に知られるシャンゼリゼ通りは、フランス国民には「世界でもっとも美しい通り」と認識されています。シャンゼリゼの語源は、ギリシャ神話に出てくる死後の楽園「エリュシオン」です。

もともとパリ郊外の野原に過ぎなかった場所を通りに変えたのは、国王アンリ4世の2番目の妃であり、息子ルイ13世の摂政として権勢を誇ったマリー・ド・メディシス1616年に彼女が、チュイルリー庭園から並木道を通すと決めたのが発端でした。そのため、セーヌ川沿いのアルマ広場まで延々と続く並木道は「女王の遊歩道」と呼ばれることに。

冒頭の曲の歌詞には、「シャンゼリゼには、望むものはすべてある」とあります。有名ブランドのブティック、美食家が集まる高級レストラン、緑豊かな公園といった具合に、訪れる者を惹きつけてやまないいくつもの魅力こそ、この通りがパリの名所のひとつに数えられる理由なのです。

パリ・セーヌ川右岸を知るキーワード

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:サクレ・クール寺院

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:サクレ・クール寺院

下町の風情が漂うモンマルトル地区のパリを見下ろせる丘にあります。石畳の坂道が誘うサクレ・クール寺院は、この街のランドマーク。サクレ・クール寺院南西のアベスは映画『アメリ』の舞台となり、人気観光地になっています。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:モンマルトルのブドウ収穫祭

毎年10月第2週末に、その年のブドウの収穫を祝って3日間にわたり盛大に開かれるイベント。多くの出店やパレードなどでにぎわいます。

レストラン発祥の地

1765年、ブーランジェという人が、肉や野菜の煮込み料理を「レストラン」の名で売り出し、真似る店が増えて、料理店の意味になりました。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:パリコレ

「パリコレ」の通称で呼ばれるパリ・コレクションは、年2回開催される世界最大級のファッションの祭典。世界中から関係者が集います。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:TGV

フランスが誇る高速列車。1981年にまずパリ〜リヨン間が開通し、日本の新幹線をしのぐ最高時速270kmでの運転を実現しました。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:「サント・シャペル」のステンドグラス

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:「サント・シャペル」のステンドグラス
123RF

シテ島にあるサント・シャペル礼拝堂のステンドグラスは、パリ最古。礼拝堂を含むセーヌ川河岸は、1991年に世界遺産に登録されました。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:クロック・ムッシュ

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:クロック・ムッシュ

ハムとチーズをはさんだ食パンに、ホワイトソースを塗って焼いたサンドイッチ。パリのカフェで生まれた昼食の定番メニュー。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:パリシイ族

古代ケルト系民族のパリシイ族はカエサルのローマ軍に征服され、植民地となった当時のパリは「ルテチア」(沼地)と呼ばれました。パリの由来・語源は、この土地に住んでいたケルト人が、パリシイ(Parisii)と呼ばれていたことに始まります。歴史家は、古ケルト語で「やかん」または「大釜」などと推測しています。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:メトロのアコーディオン奏者

メトロ駅構内で見かける音楽演奏は、すべてパリ市交通公団公認。1997年よりオーディションを通過した者のみ、演奏できるルールです。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:パリロンシャン競馬場

パリ16区の西に位置するブローニュの森にある競馬場。1857年に開設されました。「世界でもっとも優雅」とされ、世界中の騎手にとって憧れの場所です。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:エトワール凱旋門

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:エトワール凱旋門

「エトワール」は星を意味しています。パリはこの凱旋門を中心に、シャンゼリゼ通りなど12の通りが放射状に延びていて、その様子が星の輝きに見えるため。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:グランパレ

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:グランパレ

「大きな宮殿」という名をもつ美術館で、セーヌ川とシャンゼリゼ通りの間にあります。1900年のパリ万博会場として建てられました。パリ五輪では、テコンドーとフェンシングの競技会場です。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:クレオパトラの針

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:クレオパトラの針
123RF

コンコルド広場の象徴であるオベリスク。この前に立つと、奥へシャンゼリゼ通りが延びているのが見え、通りの先にパリが誇る凱旋門があります。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:コンコルド広場とギロチン

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:コンコルド広場とギロチン

シャンゼリゼ通り東端のコンコルド広場は、フランス革命時にルイ16世、マリー・アントワネットらがギロチン刑に処せられた場所。パリ五輪では、自転車BMXフリースタイル・スケートボード・バスケットボール3×3、ブレイキンの競技に使用されます。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:光の並木道シャンゼリゼ通り

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:光の並木道シャンゼリゼ通り

夜の光の美しさでも知られるシャンゼリゼ通りですが、街灯整備は17世紀、パリの初代警視総監ガブリエル・ニコラ・ド・ラ・レイニの指揮のもと始まりました。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:エルメス

バッグ、財布などの皮革製品で世界的に有名なパリの高級ブランドですが、1837年にパリで馬具工房として設立されたのが、その始まりです。

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:マカロン・パリジャン

パリ・セーヌ川右岸のキーワード:マカロン・パリジャン
123RF

パリ風のマカロンは、1862年創業の老舗パティスリーのラデュレで作られたのが始まり。マカロンはイタリアから伝わったとされています。

パリ・セーヌ川右岸の著名人

パリ・セーヌ川右岸の著名人:映画監督 リュック・ベッソン

パリ15区生まれ。『ニキータ』『レオン』『ジャンヌ・ダルク』などを手がけ、『TAXi』シリーズなどの製作でも知られています。(1959〜)

パリ・セーヌ川右岸の著名人:歌手 エディット・ピアフ

パリ20区ベルヴィル生まれ。「20世紀最大のシャンソン歌手」と評され、『バラ色の人生』『愛の讃歌』は世界的に有名です。(1915〜1963)

『地図でスッと頭に入るフランス』好評発売中!

フランス全土を大きく6つの地方に分け、その地方で代表的な地域について地理・歴史・文化・食・出身人物…などからその地域に関連するアイコンを取り上げながら分かりやすく紹介していきます。
とくに押さえておきたい重要な街や地区、歴史などについては詳細な解説ページを設けて読者の理解を助けています。フランスについて新たに勉強したい人、フランスに旅行を計画している人などにお奨めの一冊です。

コンテンツ

巻頭特集『フランスの魅力再発見!』
第1章 パリ
第2章 イル・ド・フランス
第3章 フランス北東
第4章 フランス北西
第5章 フランス南東・コルス島
第6章 フランス南西

【監修者】Julie Blanchin Fujita (ジュリ・ブランシャン・フジタ)

1979年、シャラント県生まれ。2004年にストラスブールの国立美術学校(École supérieure des arts décoratifs de Strasbourg)を卒業。翌年からイラストレーターとして活動。
アマゾンを中心にポリネシア、オーストラリアなどを訪れ、現地の日常生活を描く。2008年に南極圏へ向かう取材の途中で東京に短期滞在し、翌年から日本での生活を始める。
2017年に日本の日常生活を綴った『J’aime le nattō(納豆が好き)』を、フランスの出版社Hikari Éditionsから出版しベストセラーに。子ども用ミニ絵本シリーズ『mon imagier japonais』[動物、もの、食べ物編など]を出版しているほか、2015年からNHK出版の「まいにちフランス語」にイラストの連載もしている。2児の母。

公式サイトはこちら

『地図でスッと頭に入るフランス』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  海外 > ヨーロッパ > フランス >

この記事に関連するタグ