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アメリカの初期、独立戦争から西へ西へと広がる領土拡大の歴史

アメリカの歴史を始めたイギリス人の北米進出は、北東部大西洋岸に始まります。本格的な植民が試みられたのは1620年のこと。ピューリタンの一団がマサチューセッツのプリマスを開拓し、北東部一帯に広がっていきました。

これと前後してフランス人が、五大湖と大西洋を結ぶセントローレンス川沿岸や、ミシシッピ川沿岸に入植しました。植民地の拡大は、やがて北アメリカを舞台とした領土争奪戦へとつながっていきます。

初めに争奪戦を繰り広げたのが、イギリスとフランスです。そこから、独立戦争へ発展、スペインも加わり西へ西へと広がっていきます。アメリカ50州となったのは、東部13州の独立宣言からおよそ100年後。アメリカの領土拡大の歴史をのぞいてみましょう。

アメリカの歴史に、大きな傷跡を残した南北戦争

イギリスから独立後のアメリカは、北部では工業化が進展しました。一方南部では、黒人奴隷を労働力に綿花栽培を主としたプランテーションが発展していきます。

南北の間で産業のあり方や奴隷制をめぐる主張に溝が生じ、対立が深まっていきました。西部開拓によって領土が拡大し新しい州ができると、奴隷制を認める「奴隷州」となるか、奴隷制を認めない「自由州」となるかが連邦議会で問題になっていきます。ミズーリが州に昇格すると、均衡していた対立が激化します。

その後、ゴールドラッシュや奴隷制反対を掲げる共和党のリンカーンが大統領になったことなどから、南北戦争が勃発することになるのです。その社会背景と南部州の当時の状況とは、どのようなものだったのでしょうか。

アメリカの歴史上ひときわ輝く、キング牧師の公民権運動

リンカーン大統領の奴隷解放宣言と、ジョンソン大統領による憲法修正第13条でアメリカの奴隷制度は廃止されたはずでした。しかし、黒人に対する差別はなおも続いていきます。南部州では、「ブラックコード」と呼ばれる黒人取締法が制定され、黒人差別は合法的に行われていたのです。

公民権運動が起こったのは1950年代。その後キング牧師の登場で、公民権運動は大きく前進することになります。キング牧師のあの演説が行われるまでの公民権運動の歴史を見ていきましょう。

アメリカの歴史は、民主主義の歴史。アメリカの2大政党の歴史とは

アメリカの2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのでしょうか。

民主党の前身である「リパブリカン党」が民主党を名乗るようになったのは1832年、ジャクソンの時代です。一方、共和党が誕生したのは1854年で、きっかけは奴隷制をめぐる民主党との主張の違いでした。当初、民主党は奴隷制賛成、共和党は奴隷制反対の立場を取っていました。

南北戦争、帝国主義化、第一次大戦、世界恐慌などの社会情勢により2大政党は、支持層を変えていくことになります。2大政党の歴史を見ていきます。

アメリカの歴史とともにある銃。銃所持の権利と銃規制

アメリカの銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まりません。それでも銃規制が進まない理由とは、いったいどのようなものなのでしょうか。

3〜4億丁もの銃が存在するアメリカ。一部のスーパーでも銃を購入できるという、日本人には到底想像できない現実がそこにあります。拳銃やライフルによる銃乱射事件が断続的に起こり、スクールシューティングと呼ばれる高校や大学での銃による殺人事件も後を絶ちません。
銃規制が進まない理由は、アメリカの歴史にありました。

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“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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