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ノースダコタ州の政治

ノースダコタ州の選挙人の数は、3人です。ノースダコタ州はもともと保守的な州として知られ、共和党が強い州です。2013年にノースダコタ州で成立した中絶禁止法は、全米一厳しいといわれるほどです。

ノースダコタ州は、人口増加を妨げるほど過酷な気候の州

ノースダコタ州は、どこまでも広大な平野が続き、人よりも野生動物のほうが多いと言われます。そんなノースダコタ州は日本列島の半分ほどの面積に対し、人口はわずか76万人ほど。
ノースダコタ州の気候の厳しさは有名で、過去には夏と冬で100度もの温度差を記録したことがあります。このため、人口増加は控えめで、日本企業が珍しく進出していません。

ノースダコタ州の名前の由来

「ダコタ」は、インディアン・スー族の言葉で「盟友」を意味します。もともとは同じダコタ準州だった土地が、1889年に南北に分割されて独立州として加盟することになったのですが、「分かれても友好的に」という祈りとともに、ダコタの名はそのまま共有されたのです。

ノースダコタ州の歴史と産業

ノースダコタ州の人口が2000人ほどしかいなかった時代に、ドイツからの資本や移民を積極的に誘致したため、現在もノースダコタ州民の白人の半数はドイツ系が占めています。

ドイツの元首相ビスマルクの名前に因んだ州都を起点に、1800年代後半からドイツ系移民たちが始めた農業は、現在でもノースダコタ州の主産業です。極寒の土地でも育つデュラム小麦は国内8割のシェアを誇るほか、土壌が有機栽培にも適しているため、アメリカのオーガニック市場を支えています。

ノースダコタ州内の職の選択肢が少ないことから、州外への人材流出が問題となっていましたが、石油や天然ガスの分野が成長しており、近年は少しずつ人口が増えています。失業率も低いことから、厳しい気候にさえ耐えられれば、移住先に良さそうです。

ノースダコタ州を知るキーワード

ノースダコタ州のキーワード:麦とシュガービート

ノースダコタ州の名産と言えば、麦とシュガービート。とくに麦は全米でも1、2を争う収穫量を誇り、アメリカの小麦輸出量世界1位を支えています。

ノースダコタ州のキーワード:ノーザン・パシフィック鉄道

アメリカ北部に存在した鉄道会社で、範囲はノースダコタ州を含む7州に及びました。この鉄道の工事をきっかけに、ドイツからの移民を招くことになったのです。

ノースダコタ州のキーワード:ビスマルク

ミズーリ川が流れるノースダコタ州の州都。州会議事堂はアメリカで唯一、左右非対称の議事堂。ノースダコタ州の歴史や開拓者精神を感じられるスポットも多い。

ノースダコタ州のキーワード:ハチミツ生産トップ

ハチミツの生産量も全米1位のノースダコタ州。おもにノースダコタ州の中央部での生産が盛んで、年間で3800万ポンドを超えるハチミツが生産されています。

ノースダコタ州のキーワード:部族の垣根を越えた集会

先住民の部族の垣根を越えた伝統的な祭、パウワウ。ビスマルクでは、毎年アメリカ全土から数百人もの先住民が集まります。

ノースダコタ州のキーワード:ファーゴはひまわりの産地

ノースダコタ州ファーゴはひまわりの産地で、生産高は全米トップ。オイルやシリアルなど、さまざまな食品に加工されています。またノースダコタ州は、菜の花の生産も全米の8割を占めています。

ノースダコタ州のキーワード:クルムカカ

クルムカカは、スウェーデンからの移民が持ち込んだワッフルクッキー。丸まった生地のなかにクリームが入っているものもあります。

ノースダコタ州のキーワード:ノルスク・ホストフェスト

ノースダコタ州北部の町マイノットで毎年秋ごろに開催される、アメリカ最大規模となるスカンジナビアンフェスティバル。北欧に関連した売店も出店し、毎年多くの人で賑わいます。

ノースダコタ州のキーワード:バッケンのシェールオイル

シェールオイルの生産により、ここ5年ほどで爆発的な発展を遂げたノースダコタ州バッケン。現在もバッケンに眠るシェール層は、世界最大級ではないかと注目を集めています。

ノースダコタ州のキーワード:移民料理チーズボタン

ドイツやロシアからの移民によって伝わったチーズボタンという料理。ラビオリに似ており、中にはリコッタチーズが入っています。

ノースダコタ州のキーワード:セオドア・ルーズベルト国立公園

公園内の牧場を所有していたセオドア・ルーズベルトに因んでします。ルーズベルトは、「ここでの経験がなければ、大統領になっていなかった」と語っていました。

ノースダコタ州の著名人

ノースダコタ州の著名人:NBAコーチ フィル・ジャクソン

ノースダコタ大卒のNBAコーチ。監督としては、リーグ最多となる11回の優勝を達成しています。(1945~)

ノースダコタ州の著名人:俳優 サム・アンダーソン

映画『フォレスト・ガンプ』やドラマ『LOST』シリーズに出演しています。主にテレビドラマを中心に活躍する俳優。(1945~)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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