コロラド州の政治
コロラド州の選挙人の数は、9人です。コロラド州は激戦州とされていますが、直近3回は民主党を支持。共和党も地盤を持っていますが、経済発展とヒスパニックの増加で民主党が好調です。
コロラド州は、近年、急成長の代表の州
外から人が来すぎて自慢の自然が害されそう。そう地元っ子が心配するのも無理はありません。デンバー都市圏を中心に、農業畜産、エネルギー、観光、ハイテク・ITとすべてがそろい、大自然と仕事を求めて人が増え続けているからです。
平均高度が全米一のコロラド州は、西部には四千メートル級の山が連なるロッキー山脈、東部には海抜千から二千メートルの平原が広がります。1976年の冬季オリンピックの開催地に決まったにもかかわらず、環境破壊を憂えた州民が反対し、開催権を返上する出来事がありました。コロラド州は、それほど自然保護の意識が高く、今も熱心に環境問題に取り組む人が多い州です。
コロラド州の歴史
コロラド州には、かつてプエブロ・インディアンと呼ばれる人々が暮らしていましたが、スペインやメキシコの領土となった時代を経て、1848年に全域がアメリカ領となりました。
最初に繁栄をもたらしたのは、1859年にコロラド州デンバー付近で見つかった金鉱です。続いて銀鉱脈が見つかった1870年代には農業や畜産業も発展し、州昇格を果たしました。それから1世紀が経つと、好調な軍需産業とテレコミュニケーションブームを経て、IT、機械、ロボティクス、ハイテク産業が育ち、デンバーを中心としたエリアは「シリコンマウンテン」と呼ばれるようになっています。
コロラド州は、州としては初めて住民投票で女性参政権を認め、人工中絶の自由を全米で初めて採択しました。こうした先進性も人が流入し続けている理由です。
コロラド州を知るキーワード
コロラド州のキーワード:デンバー
議事堂ドームが金ピカで、大戦時に日系人を擁護したカー知事の銅像がお出迎え。近郊にあるコロンバイン高校では、1999年に銃乱射事件が起きました。
コロラド州のキーワード:アスペン
銀鉱で栄えた町。現在は、演奏家の教育を目的としたアスペン音楽祭や国際会議の開催で知られています。冬場はスキーリゾートになります。
コロラド州のキーワード:北米航空宇宙防衛司令部
年末はサンタを、普段はミサイルを観測する防衛拠点。冷戦後に役割を終えましたが2020年のコロナ禍で、一部機能が復活。近くのコロラド・スプリングスのハイテクが成長した理由の1つ。
コロラド州のキーワード:エルバート山
北アメリカのロッキー山脈の最高峰。これらの山脈があるため、コロラド州の平均高度は全米一で、「トップ・オブ・ザ・USA」と呼ばれています。
コロラド州のキーワード:プレーリードッグ
野生のプレーリードッグが生息。特にコロラド州で見られる種類は、ガニソンプレーリードッグ。コロラド州東部の平原地帯で穴を掘っています。
コロラド州のキーワード:サンドクリークの虐殺
1864年、政府軍が先住民のキャンプを襲撃し、非戦闘員を含む約500人を無差別攻撃しました。現在は国立史跡となり、簡素な石碑が立っています。
コロラド州のキーワード:イザベラ・バードの冒険
イギリス生まれの旅行家。90日のロッキー山脈乗馬旅を『ロッキー山脈踏破行』として執筆しました。日本を旅して紀行文を書いたこともあります。
コロラド州のキーワード:レッドロックス野外劇場
野外劇場を備えた公園。客席は山の斜面を利用し、夜はデンバーの夜景と星空を望めます。ビートルズ、U2がここで演奏したのが語り草です。
コロラド州のキーワード:デュランゴ・アンド・シルバートン狭軌鉄道
1882年開通の狭軌36インチ、約72キロにわたる山岳鉄道。建設費節約のため狭軌にしました。鉱石を搬出するために作られました。
コロラド州のキーワード:ご当地グルメ
牛の睾丸を揚げた珍味ロッキー・マウンテン・オイスター。チリソースで浸されたチーズバーガーのスロッパー。一度はご賞味あれ。
コロラド州のキーワード:シャイニング
映画『シャイニング』に登場する不気味なホテルは、ロッキー山上という設定です。続編『ドクター・スリープ』でも久しぶりに登場しました。
コロラド州のキーワード:メサヴェルデ国立公園
世界遺産。先住民のプエブロ族が築いた岩窟住居をはじめ、数えきれないほどの遺跡が状態良く保存されています。一度は見てみたい。
コロラド州の著名人
コロラド州の著名人ボクサー ジャック・デンプシー
コロラド州マナッサ生まれの世界ヘビー級王者。初のインファイターとされ、前傾姿勢のまま体を左右に振るデンプシーロールで、敵を葬りました。(1895~1983)
コロラド州の著名人カントリー歌手 ジョン・デンバー
『アニーズソング』『故郷へ帰りたい(カントリー・ロード)』がヒット。ニューメキシコ出身ですが、愛したデンバーを芸名にしました。(1943~1997)
『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!
“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。
【見どころ―目次より抜粋】
1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州
2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道
3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢
4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)
巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)
【監修者】デイビッド・セイン
アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。
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