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ミシガン州の政治

ミシガン州の選挙人の数は、16人です。民主党が強いミシガン州でしたが、2016年にトランプ共和党が勝利して大きな話題になりました。この時は、地裁が再集計を命じています。

ミシガン州は、かつて自動車産業が繁栄した州

ミシガン州は、アッパー半島とロウアー半島から成っています。ラストベルトの象徴たるデトロイトがあるのは、ロウアー半島です。

デトロイトは、フォードがT型を量産した世界のモータリゼーションの原点の地であり、国内自動車メーカー「ビッグ3」が集まって雇用を生んだ重工業都市です。南部からは黒人が、世界からはアラブ系を含む労働者が移り住み、以前から住んでいたポーランド系などに合流しました。

1970年代から陰っていくミシガン州の自動車産業

しかし1967年の黒人暴動と、1970年代のオイルショックで繁栄は陰っていきます。
燃費のよい日本の小型車に圧される形で、アメリカの自動車産業は不況に陥り工場は閉鎖します。中心部がゴーストタウン化すると、治安悪化を恐れた白人が町を離れ、黒人の割合が上昇していきました。

復活を目指すミシガン州

とどめを刺したのはリーマンショックでした。ビッグ3のうちゼネラル・モーターズとクライスラーが倒産デトロイト市は債務超過に陥り、2013年に180億ドルの負債を出して破綻します。強盗に遭って警察に通報しても、警察官が到着するのに1時間はかかる町になってしまいました。

その後、自動車産業はやや持ち直し、現在は都市の再開発が進んでいます。しかしミシガン州内には多くの海外企業が進出しており、国内メーカーが再度不況に陥ることへの恐れがただよいます。

そのなかで、製造業復活と自国優先を掲げたトランプは希望の星に見えたのでした。自動車造りで技術を磨いた製造業の復活は、観光業と新しく芽生えた情報技術や航空産業と合わせてミシガン州の州経済復活の要といえます。

ミシガン州を知るキーワード

ミシガン州のキーワード:デトロイト

アメリカ自動車産業の発祥地かつ中心都市。自動車産業の衰退で、町中は一時期、廃墟マニアと犯罪予備軍の巣窟となっていました。

ミシガン州のキーワード:ミシガン大学

公立大学としてはアメリカ最古。アメフトチーム「ウルヴァリンズ」と、グーグルを作ったラリー・ペイジを輩出したことで有名です。

ミシガン州のキーワード:ケロッグ

本社がバトルクリークにあります。会社の寄付金で設立されたケロッグ大学があり、町はシリアル・シティという愛称で呼ばれます。

ミシガン州のキーワード:モータウン

デトロイトで設立された、黒人ポピュラー音楽の伝説的レコードレーベル。モータウンは「車のモーターの街」を短縮した名前です。

ミシガン州のキーワード:チェリー

ミシガン州は、全米でも有数のサワーチェリー(酸味が強い)の産地。トラバースシティでは毎年、チェリー祭りを開催しています。

ミシガン州のキーワード:どうしてアッパー半島は、地続きの ウィスコンシン州じゃないの?

かつてミシガン州は、オハイオ州との州境沿いにある土地をめぐり、オハイオ州と領有権争いをしていました。この時にミシガン州は、「オハイオ州に譲歩する代わりに、アッパー半島の領有を認める」という合衆国議会の提案を受け入れました。その後ウィスコンシンがアメリカ入りし、現在の形になったというのが経緯です。

ミシガン州のキーワード:ペトスキーストーン

ミシガン湖畔でのみ採れる、サンゴの化石「ミシガン州の石」に定められています。土産物店で売っている他、湖畔に落ちています。

ミシガン州のキーワード:マキノー橋

アッパー半島とロウアー半島を結ぶ吊り橋。全長8キロ。ミシガン州の人たちからは「ビッグマック」と呼ばれ親しまれています。

ミシガン州のキーワード:林業

豊富な森林資源のため、林業はアッパー半島の伝統的な産業。一方、1年を通して涼しく農業には不向きな地域なのが玉にきず。

ミシガン州のキーワード:アイル・ロイヤル国立公園

スペリオル湖最大の島アイル・ロイヤルと周辺の小島から成ります。オオカミやヘラジカだけでなく、湖底には沈没船が沈んでいます。

ミシガン州のキーワード:コーニッシュ・パスティ

片手サイズのミートパイ。1800年代、イギリスのコーンウォールから移り住んだ鉱夫が持ち込んだもの。食べやすいガテン系携行食です。

ミシガン州の著名人

ミシガン州の著名人:自動車王 ヘンリー ・フォード

フォードの創業者ライン生産方式を確立し、大量生産技術の発展に貢献しました。中流階級の人々でも買える自動車の開発に力を入れました。(1863~1947)

ミシガン州の著名人:スーパースター マドンナ

代表曲『マテリアル・ガール』で、世の男を虜にしたクイーン・オブ・ポップ。出身地のミシガン州ベイ・シティは、デトロイトから車で北に約2時間。(1958~)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

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