トップ > カルチャー >  海外 > 北アメリカ > アメリカ >

バージニア州の政治

バージニア州の選挙人の数は、13人です。首都に近い北部はリベラルで、南西に行くほど保守的です。どちらにも転ぶ激戦州で、2016年はトランプを支持していません。

バージニア州はアメリカが始まった場所

7月4日の独立記念日をアメリカ人はジュライ・フォースと呼び、最も大事な祝日と考えています。
バージニア州は、アメリカが独立するまでの歴史を語るうえで欠かせない州です。なぜならイギリスからの開拓者が最初に辿り着いた場所だからです。

バージニア州の誕生

1607年、ここに到着した白人たちは5年後にタバコ栽培を始めました。労働力はアフリカから連れてきた奴隷です。三角貿易が加速すると奴隷の数は増え、1860年代前半の南北戦争の頃には人口の半分を奴隷が占めました(その後比率は減少)。そして奴隷制度の是非が問われると、反対派のバージニア州西部が1863年に分離し、ウエストバージニア州が誕生したのです。

ワシントンとの強い縁

独立戦争を率い、初代大統領に就任したジョージ・ワシントンはバージニア州出身です。他に第3代大統領のトーマス・ジェファーソン、4代ジェームズ・マディソン、5代ジェームズ・モンローと次々に大統領を輩出。このためバージニア州は「大統領の母」とも呼ばれています。

初代大統領の名を冠した首都ワシントンDCと隣接するため、バージニア州にはCIAなど政府系施設で働く人が多いです。
バージニア州の失業率は国内最低レベル。そのバージニア州北部は首都を含む大都市圏の一部であり、今やアメリカでも有数の裕福なエリアとして知られています。反対にバージニア州の南西部は、人口を北部に吸い取られ、両者は分断されています。

バージニア州を知るキーワード

バージニア州のキーワード:アメリカ中央情報局本部 

合衆国の情報機関があるラングレーは、CIAの別名にもなっています。2018年には初の女性長官が誕生しました。ペンタゴンは比較的ご近所さん

バージニア州のキーワード:アーリントン墓地

要人や戦死者を祀る国立墓地ケネディ元大統領は、夫人とともにここに眠っています。ポトマク川を挟んで、ワシントンDCと対峙する位置にあります。

バージニア州のキーワード:リー将軍像

バージニア州リッチモンド中心部には、南北戦争の南軍司令官リー将軍が鎮座しています。彼を黒人差別の象徴と見る動きがあるため、議会は撤去を検討中です。

バージニア州のキーワード:ジェームズタウン

イギリス人による新大陸初の永続的な植民地(コロニー)。アメリカ発祥の地として知られています。集落は現存しておらず遺構となっています。

バージニア州のキーワード:バージニア大学

アメリカでも指折りの名門大学で、公立大学の名門校を指すパブリック・アイビーの1つエドガー・アラン・ポーはここを中退しています。

バージニア州のキーワード:モンティチェロ

第3代大統領トーマス・ジェファーソンの邸宅とタバコ栽培をしていた農場跡です。世界遺産に登録されており、一般公開しています。

バージニア州のキーワード:バージニアビーチ

バージニア州内最大の都市は、ビーチリゾートとして知られ観光客が集まっています。3つのビーチと2つのバージニア州立公園があり、沖ではイルカがお出迎えしてくれます。

バージニア州のキーワード:バージニアピーナッツ

大粒なことが特徴のバージニア州の特産品。しばしば南部料理で使われるピーナッツは、バージニアが南部州に属した激戦地だったことを想起させる食材です。

バージニア州のキーワード:ロアノークの星

ロアノークのミル・マウンテンにある星型照明。クリスマスを景気づけるために建設されました。約100キロ先からも見えるほど大きい

バージニア州のキーワード:南部なまり

母音が引っ張られ、鼻にかかったような調子が特徴の方言。慣れないと聞き取りが難しいです。バージニア州の南の方で聞くことができます

バージニア州のキーワード:ブルーグラス

バージニア州を含むアパラチア山脈周辺で育まれた、カントリーミュージックバンジョーを素早く掻き鳴らす小気味のいい音色です。

バージニア州の著名人

バージニア州の著名人:建国の父 ジョージ・ワシントン

バージニア州の大農場主の子として生まれ、フレンチ・インディアン戦争に従軍しました。独立戦争で総司令官を務めると初代大統領に抜擢されました。(1732~1799)

バージニア州の著名人:ヒロイン ポカホンタス

白人と結婚し和平を結んだ先住民女性。捕虜である白人の命乞いをした逸話は真偽不明ですが、当時の人々はその物語を欲していました。(1595頃~1617)

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!

“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。

【見どころ―目次より抜粋】

1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州

2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道

3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢

4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)

巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)

【監修者】デイビッド・セイン

アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。

『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』を購入するならこちら

リンク先での売上の一部が当サイトに還元される場合があります。
1 2

記事をシェア

※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。

まっぷるトラベルガイド編集部は、旅やおでかけが大好きな人間が集まっています。
皆様に旅やおでかけの楽しさ、その土地ならではの魅力をお伝えすることを目標に、スタッフ自らの体験や、旅のプロ・専門家への取材をもとにしたおすすめスポットや旅行プラン、旅行の予備知識など信頼できる情報を発信してまいります!

エリア

トップ > カルチャー >  海外 > 北アメリカ > アメリカ >

この記事に関連するタグ