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デラウェア州の政治
デラウェア州の選挙人の数は、3人です。1992年以降、民主党の勝利が続いています。デラウェア州の人口の半分以上を占める北部のニューキャッスル郡で、多く支持を集めています。
デラウェア州は、優良企業が目白押し!
“First State”という愛称のデラウェア州。何が「ファースト(最初)」なのかといえば、アメリカ合衆国憲法を最初に批准した州という意味です。アメリカ独立の象徴ともいうべき州なのですが、人口も面積も全米下位で存在感は薄いのがデラウェア州。
しかし産業界では有名で、米国を拠点とする新規株式公開企業の8割、フォーチュン500社の6割以上が、デラウェア州で法人登記をしています。それはデラウェア州の会社法に、他の州にはない特徴があり、経営者にも大きな裁量権を与えているから。法人税も安く、消費税、資産税なども課せられないので、国内外の多くの企業が集まっています。
一方で企業の設立が容易で、金融秘密度が高いことから、タックスヘイブンではないかと、しばしばメディアから責め立てられてもいます。
デラウェア州を支える産業とは
デラウェア州の主要産業は化学製品。最大都市のウィルミントンには、デュポン、アストラゼネカ、ハーキュリーズ(アシュランド)などの化学品メーカーが本社や研究所を置いています。
中でも特にデラウェア州の成り立ちに大きく関与してきたのが、デュポン社です。フランス人のデュポン氏が1802年に火薬工場を設立し、南北戦争では巨万の富を得ました。
20世紀には多角経営を行い、現在の化学品メーカーとしての形を成していきますが、その過程でデラウェア州のインフラ建設などに大きく貢献しました。今も高速道路や病院、劇場、公園などデュポンの名はあちこちに残っており、デラウェア州の成り立ちと大きく関わってきた歴史を偲ばせています。
デラウェア州を知るキーワード
デラウェア州のキーワード:デラウェア記念橋
全長約3.3キロを誇る吊り橋。ニュージャージー州との州間連絡路としてデラウェア川に架けられました。デラウェア州の観光スポットのひとつ。
デラウェア州のキーワード:デュポン社
1802年に火薬工場として設立。現在は化学品メーカーとして名を馳せています。世界初の合成繊維であるナイロンを開発したことでも有名です。デラウェア州経済の中心である州北部のウィルミントンに本社があります。
デラウェア州のキーワード:チェサピーク・デラウェア運河
デラウェア川とチェサピーク湾を接続し、デラウェア州を南北に分けている運河。この運河以北を都市部、以南を地方と分ける考え方があります。
デラウェア州のキーワード:航空機動軍団博物館
デラウェア州ドーバーにある、軍隊の空輸、空中給油の歴史を専門とする博物館。入場料は無料。戦闘機、貨物運送機などの航空機を展示しています。
デラウェア州のキーワード:ゆっくり、ほどほどに行こう
LOWER SLOWER DELAWARE. 略すとLSDになります。スローライフを意味するデラウェア州南部で使われている標語。つまりC&D運河以南はみんなのんびりしています。
デラウェア州のキーワード:リホボスビーチ
約1.6キロにわたり敷設されたボードウォークには、多くのホテルやレストラン、ショップが集まっています。デラウェア州の若者が夏に遊びに行くのは、だいたいここです。
デラウェア州のキーワード:養鶏
メリーランドなど周辺の州と並び養鶏・ブロイラー産業が盛んです。1940年代にはブロイラー用の「デラウェア」という鶏の品種改良が為されました。
デラウェア州のキーワード:消費税ゼロでお買い物
デラウェア州は消費税がかからないため、非課税のショッピングを目的に訪れる人が多く、アメリカでも有数のビーチリゾートとして人気です。
デラウェア州のキーワード:境界の町デルマー
半島横断線によって分かたれた、デラウェア州とメリーランド州の州境にある町。両州にデルマーの地名が残っています。
デラウェア州の著名人
デラウェア州の著名人:政治家 ジョー・バイデン
バラク・オバマに指名され、第47代副大統領に就任しています。2020年7月現在、民主党大統領候補として出馬を表明しています。(1942~)
デラウェア州の著名人:女優 オーブリー・プラザ
映画『チャイルド・プレイ(2019)』やドラマ『クリミナル・マインド』シリーズなどに出演。母親役から殺し屋まで、幅広い演技を見せています。(1984~)
『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!
“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。
【見どころ―目次より抜粋】
1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州
2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道
3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢
4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)
巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)
【監修者】デイビッド・セイン
アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。
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※掲載の情報は取材時点のものです。お出かけの際は事前に最新の情報をご確認ください。
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