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マサチューセッツ州の政治
マサチューセッツ州の選挙人の数は、11人です。民主党の牙城。1988年以降の全大統領選で民主党候補を支持しました。名門大学が多くリベラルな風土で、住民の8割が白人です。
マサチューセッツ州は、先覚者たちが暮らす州
名門大学が集まる州として知られ、特にアメリカ最古の大学であるハーバードの成り立ちは、マサチューセッツ州の歴史そのものといえます。8人の大統領を輩出した同校は、もとはピューリタンが植民地で、指導者を育成するために設立した学校でした。
マサチューセッツ州で生まれたサンクス・ギビング・デイ
英国国教会の弾圧を逃れたピューリタンの一団であるピルグリム・ファーザーズが、マサチューセッツ州プリマスに入植したのが1620年。彼らの半数近くは病死しましたが、ワンパノワというインディアンの一族から食料を分け与えられ、作物の栽培法を教えられて生き延びました。
翌年、入植者たちはワンパノワと収穫を祝う祝宴を催し、それがアメリカ人にとって最も重要な祭日の一つである感謝祭(サンクス・ギビング・デイ)となりました。この11月第4木曜は、七面鳥の丸焼きで祝うのが通例です。
先覚的な役割を果たしてきたマサチューセッツ州
イギリス人が最初に入植したのは、バージニア州でした。にもかかわらず、マサチューセッツ州プリマスがアメリカのルーツのように語られます。それはニューイングランドのこの地域が、アメリカ民主主義の先覚的な役割を果たしてきたからなのです。
1773年のボストン茶会事件は、独立戦争の引き金となりました。19世紀になると、いち早く主要産業を農業から工業に転換させました。今日ではボストンを中心とするハイテク産業地帯が、高等教育機関を卒業した優秀な人材や研究者を育てています。
2004年にアメリカで最初に同性婚を合法化したことも忘れてはなりません。
マサチューセッツ州を知るキーワード
マサチューセッツ州のキーワード:ボストン
高層ビルと古い町並みが同居する文化、芸術、教育の街。治安が良いだけに、2013年のボストンマラソン爆破テロは市民を戦慄させました。
マサチューセッツ州のキーワード:ボストンの煮豆
豆の街ボストンの名物は、煮豆鍋。1907年のイベント「ふるさと週間」で煮豆が話題になり、以降ボストンといえば煮豆となったらしい。
マサチューセッツ州のキーワード:穴だらけの道
年に1回は地元ニュースが、穴だらけの道の問題を取り上げます。「悪路のおかげで、車の修理工場が活況」というのが定番の自虐ジョークです。
マサチューセッツ州のキーワード:最初の一団 メイフラワー
1620年にピルグリム・ファーザーズを乗せて到着。その航海を再現すべくメイフラワー2が、当時の木造帆船のレプリカとして造られました。
マサチューセッツ州のキーワード:ソーガス鉄工所
アメリカにおける製鉄産業発祥の地。ヨーロッパから製鉄技術がここにもたらされ、1646~1668年の間に開拓者が使う鉄器を作りました。
マサチューセッツ州のキーワード:口火の一撃
英国軍と民兵が衝突したコンコードの戦いで轟いた最初の銃声がこう呼ばれるのは、これが独立戦争開戦の嚆矢となる一撃だったためです。
マサチューセッツ州のキーワード:伝説の開拓者 ジョン・アップルシード
開拓期にマサチューセッツ州で生まれ、五大湖地域までリンゴの木を植えて歩いた旅に生きた偉人。各地で伝説が語り継がれています。
マサチューセッツ州のキーワード:名菓チョコチップクッキーの誕生秘話
ある宿の女将がチョコを溶かしこんだクッキーを作ろうとしたところ、チョコが溶け残ってしまいましたが、食べてみると美味しかったという。
マサチューセッツ州のキーワード:捕鯨博物館
シロナガスクジラの骨格標本があります。マサチューセッツ州南部のダートマス地域ではかつて捕鯨が盛んで、その歴史を今に伝えています。
マサチューセッツ州のキーワード:都市化と工業化
マサチューセッツ州はアメリカの産業革命をリードし、農業人口が労働者として都市に流入する近代の経済発展を体現する州となりました。
マサチューセッツ州のキーワード:権利のための戦い
マサチューセッツ州アダムス生まれのスーザン・B・アンソニーは、女性参政権獲得と公民権運動の指導者。業績が讃えられ何度か1ドル硬貨のデザインになりました。
マサチューセッツ州のキーワード:詩人エミリー・ディキンソン
千以上の詩の価値が死後に見出された、アメリカで最も偉大な詩人の1人。マサチューセッツ州アマストの裕福な家庭に生まれ、独身を貫く人生だったといいます。
マサチューセッツ州のキーワード:スプリングフィールド
マサチューセッツ州第3の規模を持つ西部の町。ジョージ・ワシントンが国営造兵廠を建設し、陸軍に採用されたスプリングフィールド銃が製造されました。
マサチューセッツ州の著名人
マサチューセッツ州の著名人:マルチな天才 ベンジャミン・フランクリン
マサチューセッツ州ボストン生まれ。政治家、発明家、文筆家と多彩な役割でアメリカ独立に貢献しました。雷の正体が電気であると発見した功績でも有名です。(1706~1790)
マサチューセッツ州の著名人:第35代大統領 ジョン・F・ケネディ
アイルランド系初の大統領で、冷戦下のキューバ危機をしのぎました。在任中にテキサス州ダラスで暗殺された真相は、今も闇の中。(1917~1963)
『地図でスッと頭に入るアメリカ50州』好評発売中!
“合衆国”というように50州からなるアメリカは、それぞれが独自の州憲法、政府組織を持ち、強い個性を放つ、いわばモザイク国家。それだけにアメリカの素顔は日本人にはなかなかわかりにくいもの。アメリカを知るには俯瞰的に眺めるのではなくそれぞれの州について知らないと、国の姿が見えてこないのです。本書では、それぞれの歴史や特徴を豊富なイラストとともに紹介。
さらには、日本でも毎回大きく報じられる4年ごとの大統領選挙について、各州のページで選挙人の数と民主党と共和党どちらが優勢であるか(2020年7月時点)を説明し、巻末には、大統領選挙のしくみ解説や歴代大統領のデータなども掲載。大統領選への理解も深まります。
【見どころ―目次より抜粋】
1章 北東部
■各州紹介
■<歴史解説>自由と仕事を求めた移民たちが、多民族国家アメリカを形成していった。
■<歴史解説>アメリカの根底にあるゴーウエスト思考、東海岸から始まった領土拡大の歴史。
■<コラム>4大プロスポーツのチームがない州
2章 南部
■各州紹介
■<歴史解説>南北戦争とリコンストラクション 敗北した南部州は深い傷を負った
■<歴史解説>人種差別を跳ね返した公民権運動 キング牧師の夢が叶う日はいつ
■<コラム>地下鉄道
3章 中西部
■各州紹介
■<歴史解説>アメリカ2大政党、民主党と共和党はいかにして今日の姿になったのか
■<コラム>アメリカの地勢
4章 西部
■各州紹介
■<歴史解説>銃による犯罪、学校や公共施設での銃乱射事件が止まらない。それでも銃規制が進まない理由。
■Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター)
巻末資料
■<大統領選挙しくみ解説>民意がストレートに反映される国政、一年かけて国民が自らのリーダーを選ぶ
■歴代大統領
■人口ランキング
■面積ランキング
■銃規制(拳銃の公然携行の可否)/同性婚
■死刑の存続と廃止/消費税率(セールス・タックス)
【監修者】デイビッド・セイン
アメリカ生まれ。証券会社勤務を経て来日。30年以上にわたり翻訳や英語指導に従事、自身が代表を務めるAtoZ 英語学校で教鞭をとるかたわら、英語学習執筆、教材プロデュース、Webコンテンツ制作、動画制作と幅広く英語教育事業に関わる。NHKレギュラー出演ほか、日経・朝日・毎日新聞などにも連載。主な著作に『1日15分18日で英語の達人に 魔法の英語脳トレ』(InteLingo)などがあり、現在まで累計400万部を超える著書を刊行。
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