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大阪環状線の黎明期

当時は西九条駅から大阪駅間の高架が未完成で、西九条の高架駅を出た電車は、天王寺駅から大阪駅を経由して西九条の地上駅に戻り、桜島線へ入るというルートを走っていました。

実際に現在のような環状運転を開始するのは1964年からです。このとき南海線との乗換駅である新今宮駅が開業しています。

その後、1966年に芦原橋駅、1983年に大阪城公園駅、1997年には関西本線の今宮駅に環状線の電車も停まるようになり、現在の19駅となりました。

大阪環状線は高低差が激しく起伏にとんだ路線

大阪環状線に乗り、ぐるっと1周してみると、大阪平野の起伏がよくわかります。西側の大正駅から野田駅に至るまでは民家の2階以上の高さを走っているのに、東側の大阪城公園駅付近では地上と同じ高さになっています。

昭和初期、城東線の高架化が計画されたことがありました。ところが大阪城の東側にあった陸軍の砲兵工廠内部がのぞかれるのを懸念した軍部が反対したというのが理由の1つです。
また、大阪城の立つ「上町台地」から西は、かつて海であったため低地となっています。東西の高低差が大きいため、線路自体にも勾配が設けられています。

地上駅である大阪城公園駅の海抜は4.5mなのに対して、大阪駅から今宮駅までは海抜1m前後。もっとも低いのは福島駅で、わずか30cmです。東側は桃谷駅が9m、寺田町駅は7mと高くなっています。上町台地上の天王寺駅にいたっては17mで、西側各駅とは15、6m、ビルの高さにして4階以上の差があるのです。
大阪環状線の先頭車両に乗って走る方向を窓から眺めれば、このアップダウンの様子がよくわかるでしょう。

大阪環状線は高低差が激しく起伏にとんだ路線
大阪環状線は高低差が激しく起伏にとんだ路線
吉図’sのwebサイトを元に作成

大阪環状線の各駅データ

※2016年:国土交通省「国土数値情報」を元に作成

大阪環状線DATA
開業:1895年5月28日(城東線)、1898年4月5日(西成線)
全通:1961年4月25日
路線距離:21.7km
駅数:19駅
のべ利用人数(1週間)466万人
平均乗車時間:9.4分
平均乗車回数:3.9回

大阪駅-おおさか
開業:1874年(明治7年)5月11日
所在地:大阪市北区梅田3丁目1-1
駅構造:ホーム高架駅/6面11線
1日乗降人数:86万3086人

天満駅-てんま
開業:1895年(明治28年)10月17日
所在地:大阪市北区錦町1-20
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:5万956人

桜ノ宮駅-さくらのみや
開業:1898年(明治31年)4月27日
所在地:大阪市都島区中野
町5丁目1-22
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:3万4330人

京橋駅-きょうばし
開業:1895年(明治28年)10月17日
所在地:大阪市都島区東野田3丁目2-7
駅構造:ホーム高架駅・地上駅/各2面2線
1日乗降人数:26万3760人

大阪城公園駅-おおさかじょうこうえん
開業:1983年(昭和58年)10月1日
所在地:大阪市中央区大阪城3
駅構造:ホーム地上駅(橋上駅)/2面2線
1日乗降人数:2万4492人

森ノ宮駅-もりのみや
開業:1932年(昭和7年)4月21日
所在地:大阪市中央区森ノ宮中央1丁目1-45
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:5万1518人

玉造駅-たまつくり
開業:1895年(明治28年)5月28日
所在地:大阪市天王寺区玉造元町1-40
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:3万3176人

鶴橋駅-つるはし
開業:1932年(昭和7年)9月21日
所在地:大阪市天王寺区下味原町1-1
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:19万6402人

桃谷駅-ももだに
開業:1895年(明治28年)5月28日
所在地:大阪市天王寺区堂ケ芝1丁目8-27
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:3万5392人

寺田町駅-てらだちょう
開業:1932年(昭和7年)7月16日
所在地:大阪市天王寺区大道4丁目11-21
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:3万3462人

天王寺駅-てんのうじ
開業:1889年(明治22年)5月14日
所在地:大阪市天王寺区悲田院町10-45
駅構造:ホーム
地上駅/5面5線(頭端式)・4面7線(島式)
1日乗降人数:29万200人

新今宮駅-しんいまみや
開業:1964年(昭和39年)3月22日
所在地:大阪市浪速区恵美須西3丁目17-1
駅構造:ホーム高架駅/2面4線
1日乗降人数:12万9228人

今宮駅-いまみや
開業:1899年(明治32年)3月1日
所在地:大阪市浪速区大国3丁目13-13
駅構造:ホーム高架駅/3面4線(2層式)
1日乗降人数:9040人

芦原橋駅-あしはらばし
開業:1966年(昭和41年)4月1日
所在地:大阪市浪速区浪速東1丁目3-22
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:1万1028人

大正駅-たいしょう
開業:1961年(昭和36年)4月25日
所在地:大阪市大正区三軒家東1丁目8-18
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:4万7676人

弁天町駅-べんてんちょう
開業:1961年(昭和36年)4月25日
所在地:大阪市港区波除3丁目11-6
駅構造:ホーム高架駅/2面2線
1日乗降人数:6万5320人

西九条駅-にしくじょう
開業:1898年(明治31年)10月1日
所在地:大阪市此花区西九条1丁目32-18
駅構造:ホーム高架駅/2面3線
1日乗降人数:5万9070人

野田駅-のだ
開業:1898年(明治31年)4月5日
所在地:大阪市福島区吉野3丁目1-12
駅構造:ホーム高架駅/1面2線
1日乗降人数:2万4100人

福島駅-ふくしま
開業:1898年(明治31年)4月5日
所在地:大阪市福島区福島7丁目1-3
駅構造:ホーム高架駅/1面2線
1日乗降人数:5万6912人

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大阪の歴史は水を起源とするとされる理由
大阪府の属する関西・近畿・畿内の違い
こんなに違った古代の大阪! 消えた河内湾と河内湖 ほか

Part.2:大阪を駆ける充実の交通網
西国へ、京都へ、熊野へ府下を通る旧街道の痕跡
どの道路が、なぜ混むのか?大阪の道路網の現状
徹底比較! 大阪の私鉄(阪急電鉄と阪神電鉄、京阪電気鉄道、近畿日本鉄道、南海電気鉄道) ほか

Part.3:大阪の歴史を深読み!
幕府軍が落とせなかった千早赤坂城の秘密
織田信長に恭順して残された富田林寺内町
天下の台所として日本経済を支えた中之島 ほか

Part.4:大阪で生まれた産業や文化
ダイハツ、パナソニック・・企業城下町の今
万博、花博、EXPO2025など国際博覧会の最多開催地・大阪
偉人たちが好んで食したなにわの伝統野菜 ほか

<コラム>
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