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地磁気が発生する地球内部の構造① 地殻

地殻は、地球表面を形成する岩石の層で、厚さは大陸地殻で約30~70㎞、海洋地殻で約5~10㎞。大陸地殻は上部が花崗岩質(かこうがんしつ)、下部は玄武岩質(げんぶがんしつ)、海洋地殻はほとんどが玄武岩質の岩石でできています。

なお、地球の内部構造は、構成する物質の違いとは別に、変形のしやすさによっても分類できます。

地球表面から深さ数十~120㎞(地殻とその下の上部マントル)は、リソスフェア(岩石圏)と呼ばれる非常に硬い岩盤で、これが地球を覆う十数枚のプレートになっています。そのリソスフェアの下は、アセノスフェア(岩流圏)と呼ばれる、やわらかくて流動しやすい性質をもつ領域になっているのです。

地磁気が発生する地球内部の構造② マントル

構成物質の違いによる分類に話を戻すと、地殻の下、深さ約2900㎞までの硬い岩石の層がマントルで、深さ660㎞付近にあるアセノスフェアの下部を境にして上部マントルと下部マントルに分かれています。

マントルはカンラン石や輝石からなるカンラン岩でできていますが、深さ400~700㎞では、温度・密度・圧力の上昇によって、より高密度で安定的な結晶構造をもつ物質に変わります(相転移(そうてんい)を起こします)。この相転移が深さ660㎞付近でも起きており、そこで上部と下部に分けられているのです。

図で見る地球内部の構造

図で見る地球内部の構造

地球表面の地殻は大陸で厚さ30~70㎞、海洋で5~10㎞ほど。マントルは、深さ約660 ㎞までの上部マントル、それより深い約2900㎞までの下部マントルからなります。
さらに約5100 ㎞までが液体の外核、中心までが固体の内核となっています。なお、地殻とマントル最上部をリソスフェアその下の約300㎞までをアセノスフェアといいます。

地磁気が発生する地球内部の構造③ 核

マントルの下、約2900㎞より深い部分がです。核は鉄とニッケルを主成分としています。

外核は厚さ2200㎞の層で、約3000°Cの高温のため鉄やニッケルは溶けて液体になっています。内核は地球の中心部分にあたり、半径は約1300㎞。温度は約6000°Cと外核よりも高温ですが、非常に高い圧力のため固体になっています。

地磁気とは北極S極、南極N極の地場のこと

地球には北極付近にS極、南極付近にN極があるような磁場が存在し、これを「地磁気」(ちじき)と呼んでいます。

外核の内側の温度は約6000°Cなのに対し、外側は約4200°Cなので、この温度の違いによって対流が起こります。それによって外核の液体の鉄がかき混ぜられて電流が発生し、磁場がつくられるのです。このように磁場が発生し、維持される現象を「ダイナモ(発電機)作用」といいます。

地磁気の急激な変化がもたらしたもの

また、地磁気は約27億年前に急激に強くなったことがわかっています。

こうして地球の磁場によって形成された磁界により、太陽から放出される荷電粒子(電気を帯びた粒子)の流れである太陽風が、地表に直接到達することがなくなりました。地球の磁気圏が太陽風や高エネルギーの宇宙線を食い止めることで、生命が地表で生き延びることが可能になったのです。

オーロラも地磁気がもたらすもの

地球は北極をS極、南極をN極とする大きな磁石で、地磁気を形成して太陽風の侵入を防いでいます。ただし北極と南極からはその一部が上空から入り、酸素や窒素にぶつかってオーロラが発生するのです。

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日本列島誕生のトリセツ■目次

≪巻頭グラビア≫
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≪本編≫
序章「地球の誕生と生命の萌芽」
第1章「超大陸や日本列島を生んだプレート運動」
第2章「日本海拡大と列島形成」
第3章「日本の名所・絶景の地学」
収録図 日本列島3D鳥瞰図/日本列島地質図

【監修者】高橋 典嗣(たかはし のりつぐ)

東京都生まれ。
武蔵野大学教育学部・大学院教育学研究科特任教授。
明星大学、神奈川工科大学、電気通信大学非常勤講師。千葉大学大学院博士後期課程で公共研究を専攻。
太陽コロナ、地球接近小惑星、スペースデブリなど、地球を取り巻く宇宙環境と理科教育の研究に取り組んでいる。
日本スペースガード協会元理事長。日本学術会議天文学国際共同観測専門委員、日本学術観測団団長(ザンビア皆既日食)、学校科目「地学」関連学会協議会議長、天文教育普及研究会副会長、いわき天体観測所理事などを歴任。
著書に『地球進化46億年』(ワニブックス)、『138億年の宇宙絶景図鑑』(KKベストセラーズ)、『巨大隕石から地球を守れ』(少年写真新聞社)、共著に『子どもの地球探検隊』(千葉日報社)、『大隕石衝突の現実』(ニュートンプレス)、監修に『なぜ飛行機は空を飛べるの? 説明できない? カガクの不思議』(マイクロマガジン社)など多数。

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