更新日: 2024年1月12日
菱垣廻船の輸送レース!一刻も早く江戸に届ける!
江戸時代、大坂に集められた物資は、大消費地である江戸へ船で運ばれました。その貨物船を「廻船」といい、とくに木で組んだ菱組格子を装飾としたのが菱垣廻船です。
菱垣廻船で繰り広げられた初物を一番早く運ぶことを競う「新綿番船」レース!
菱垣は荷主である江戸十組問屋専属の廻船であることを示し、幕府や諸大名の公用荷物の輸送にもあずかった特権を表すトレードマークであったのです。
そんな菱垣廻船は、米や油、しょう油などの商品を運び、そのなかには河内地方などで収穫された綿も含まれていました。そして、その年の初物の綿を一刻も早く運ぶために行われたのが「新綿番船」というレースです。
新綿番船は1694年ごろにはじまったと考えられ、何度かの中断があったものの1883年までの約180年間続いたといいます。実施された時期は、綿の収穫期である秋。スタート地点は安治川の河口で、小舟でこぎつけた会所で「送り切手」という参加証を受け取るところから開始となり、ゴール地点である浦賀入口までの約650 kmでスピードを競ったのです。
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