高槻市の今城塚古墳（いましろづかこふん）は、河内大塚山古墳より早い６世紀前半の古墳です。全長約190ｍの前方後円墳は宮内庁の参考地にされなかったので、発掘がかなり進んでおり、人の出入りも自由です。

地震で崩れたところも多いといいますが、埴輪（はにわ）や葺石（ふきいし）が多数出土し、周囲には二重の周濠があったことなど、築造当時の姿もかなりわかってきています。調査により継体天皇陵説が有力視されており、古墳時代の後期の墳墓に分類されています。現在、古墳の周辺は公園としても整備され、出土品などを展示した今城塚古代歴史館も隣接しています。

今城塚古墳の内堤の上には再現された埴輪祭祀場があります。家、巫女、武人、力士、鳥など約190点の形象埴輪が並べられています。周辺が公園として整備され、イベントも開かれる今城塚古墳。宮内庁は太田茶臼山古墳を継体天皇の御陵と治定していますが、専門家の間では今城塚古墳を継体陵とするのが定説です。

さらに古い、古墳時代前期（４世紀ごろ）に築造されたと考えられているのが岸和田市の摩湯山古墳（まゆやまこふん）です。全長約200ｍの古墳で、府下における古墳時代前期の前方後円墳のなかでもっとも大きく、泉州地方で最古級の古墳とされてます。

周辺部や陪塚（ばいちょう）（大型古墳に付随する小型の古墳）の発掘調査で埴輪などの遺物が多数出土しており、この地域で勢力を誇った豪族の陵墓と考えられ、1956年には国の指定史跡となっています。本格的な調査がされていないので不明な点は多く残されています。

岬町の淡輪（たんのわ）にある西陵古墳（さいりょうこふん）も国の指定史跡のひとつです。埋葬者は紀伊国（現・和歌山県）の豪族である紀小弓（きのおゆみ）とされ、田身輪邑（たむわのむら）は現在の淡輪とされていることが根拠です。

西陵古墳は全長約210ｍの泉州南部で最大の前方後円墳で、『日本書紀』には、新羅出兵で死亡した将軍・紀小弓が田身輪邑に葬られたとする記述があります。

一方で、紀船守（きのふなもり）という豪族の墓という説もあります。築造時期は５世紀前期から中期と推定され、史跡への指定は1922年。淡輪ニサンザイ古墳などとともに淡輪古墳群を形成しており、「西ニサンザイ古墳」とも呼ばれています。

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