小島海岸・長松海岸は自然海浜保全地区
長松海岸は2020年3月に閉園となったみさき公園の南側にあり、小島海岸は和歌山県との境に位置します。どちらも自然の状態が維持されているため、府の自然海浜保全地区条例にもとづき、自然海浜保全地区に指定されています。
長松海岸は南海本線みさき公園駅か多奈川線深日町駅から徒歩圏内にあり、水際道路からは淡路島や明石海峡大橋が一望できます。大阪府の最南端に位置し、浸食された崖や岩礁で成り立つ小島海岸は、海岸に下りて磯遊びも楽しめますが、駅から遠くアクセスも不便です。
ただし、両海岸とも大半が岩礁で構成されているため砂浜はほとんどなく、海水浴には適していません。大阪府内で海水浴を楽しむなら、人工海浜か半自然海浜に行くことになります。
小島海岸・長松海岸以外の海水浴場
現在、大阪府下に海水浴場は4カ所あります。
大阪市内からもっとも近い海水浴場は、貝塚市の二色の浜海水浴場です。幅約1kmの砂浜で、1933年ごろから海水浴場として利用され、1950年には海浜公園として整備を開始。1987年には球技場などが整備され、2000年に芝生や人工海浜などの設置が完了しました。
二色の浜海水浴場は、南海本線二色浜駅から徒歩約10分、自動車でのアクセスも便利です。シーズンは混みあうので電車の利用がおすすめです。
次が泉南市のりんくう南浜海水浴場、別名タルイサザンビーチです。1996年のりんくうタウンの町開きと同時に開設された総延長約500mの人工海岸で、関西国際空港の対岸に位置し、旅客機の離着陸を楽しめることでも有名です。また、2020年に大型リゾート施設の泉南りんくう公園(SENNAN LONG PARK)が開園したことで、さらなる集客が期待されています。
阪南市のぴちぴちビーチと岬町ときめきビーチ
その次が阪南市(はんなんし)の箱作海水浴場(ぴちぴちビーチ)。砂浜の幅は約700m。70年代に整備された人工海岸で、現在は同市内の箱作から岬町の淡輪にまたがるせんなん里海(さとうみ)公園の一部となっています。
もっとも南部にある海水浴場は、同じくせんなん里海公園の淡輪側にある淡輪海水浴場(ときめきビーチ)です。二色の浜やぴちぴちビーチとともに、大阪みどりの百選にも認定されています。淡輪海水浴場は1904年、淡輪黒崎海岸に開設された海水浴場を前身としていて、現在の形に整備されたのは1982年です。
なお、大阪市住之江区の南港に、大阪南港海水遊泳場という人工の海水浴場もありましたが、2005年に休止となっています。
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大阪のトリセツ なにわおもしろ学■目次
≪巻頭特集≫
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●江戸末期の古地図で見る大阪(浪華名所独案内)
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≪本編≫
第1章 地形から読み解く知られざる大阪
第2章 大阪の知られざる鉄道・交通網秘話
第3章 大阪が誇る城跡・名建築をたどる
第4章 そのとき歴史は動いた ~大阪の歴史をひも解く~
第5章 大阪名物の意外なルーツ
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