更新日: 2024年1月12日
小島海岸と長松海岸は大阪府で2か所のみ残っている自然海浜。開発で失われ、残っているのはわずか1%~
大阪湾の南東にある海岸線は、 江戸時代から第二次世界大戦後までの開発で、多くが人工海浜となりました。 現在、自然のままに残っているのは岬町の2カ所、小島海岸と長松海岸だけです。
小島海岸・長松海岸:の歴史と成り立ち
大阪市西淀川区の中島川(なかじまがわ)から和歌山県との県境まで、カーブを描く形状になっている大阪府の海岸線の総延長は約233.7km。かつては長い砂浜が続き、レジャースポットとして知られていました。
しかし、大阪市域の砂浜は戦前から工業化が進み、高度経済成長期になると堺市以南の砂浜も埋め立てによる港湾開発で消えていきます。その結果、現在残る自然海浜は約1.9kmとなりました。これは大阪府全体の海岸線の1%しかなく、自然の地形に人工物を加えた半自然海浜と合わせても約5%でしかありません。
小島海岸と長松海岸は岬町にある
昔のままの姿で残っている自然海浜は、府内に2カ所で、いずれも岬町(みさきちょう)にあります。淡輪(たんのわ)から深日(ふけ)にかけての長松海岸(ながまつかいがん)と、同じく多奈川(たながわ)谷川(たにがわ)から多奈川小島(こじま)にまたがる小島海岸です。
このあたりの地形の特徴である明石海峡と紀淡海峡しか開口部のない大阪湾は海面が比較的穏やかなため、かつては砂浜が広がり、干潟も多く見られたといいます。また、「なにわ」に「魚庭」の字が当てられたように、大阪は昔から魚介類が豊富に獲れ、明治時代以降は、海水浴場がにぎわっていました。
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