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白洲正子は古人の文芸に思いを馳せ、日本各地を探訪した
能に関する著作を手がけていた白洲正子が、取材のために西国三十三ヶ所観音巡礼の旅に出たのは54歳のとき。ライフワークとなる紀行文の始まりです。59歳からは、京都を拠点に近畿地方の村里を訪ね歩き、『かくれ里』を執筆。道中の「道草」に旅の醍醐味を見出し、人知れぬ小道や僻地(へきち)を訪ね歩いた同著は、読売文学賞を受賞しました。
その後も『古今和歌集』や世阿弥、西行などの古典文学を道標に、物語の舞台や歴史の跡を追い、『古典の細道』『西行』などの名著を紡ぎ出すことになります。70歳前後で最愛の夫や青山、小林を相次いで亡くすも、能や骨董、日本文化への追求心は衰えず、88歳で亡くなるまで筆を取り続けました。
白洲正子の言葉
お能には橋掛り、歌舞伎にも花道があるように、とかく人生は結果より、そこへ行きつくまでの道中のほうに魅力があるようだ。
『かくれ星』(新潮社)より
白洲正子(しらすまさこ)のプロフィール
随筆家
生まれ:東京都千代田区
生没年:1910[明治43]年1月7日~1998[平成10]年12月26日
出身校:ハートリッジ・スクール
記念館:旧白州邸 武相荘(東京都町田市)
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時代を切り拓いた日本の偉大な女性100人
現代を生きるヒントが見つかるニュー偉人伝
いま世界中で人種差別問題が噴出し、ジェンダーの壁を取り払った社会的マイノリティの権利拡大、女性のさらなる社会進出の背中を押す動きが加速。世界の女性が経済・政治など多彩な場面で活躍する一方、日本の女性の活躍度の低さは「ジェンダー・ギャップ指数」などにも表れています。
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日本編では、女性にとっての新しい道を開拓した人、男性中心の世界で努力を重ね結果を出してきた人、世界を舞台に活躍する人らが登場。彼女たちの生き方、考え方を通して、現代を強く生きる知恵・マインドを学びます。
どこか生きづらさを感じている女性、多様性のなかを生きる子供たちに、勇気をおくる一冊です。
監修者:ヤマザキマリ
漫画家・文筆家。東京造形大学客員教授。1967年東京生まれ。
84年にイタリアに渡り、フィレンツェの国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機にエジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々に暮らす。
2010年『テルマエ・ロマエ』で第3回マンガ大賞受賞、第14回手塚治虫文化賞短編賞受賞。2015年度芸術選奨文部科学大臣賞新人賞受賞。2017年イタリア共和国星勲章コメンダトーレ綬章。著書に『スティーブ・ジョブス』(ワルター・アイザックソン原作)『プリニウス』(とり・みきと共著)『オリンピア・キュクロス』『国境のない生き方』『ヴィオラ母さん』『たちどまって考える』『ヤマザキマリの世界逍遥録』『ムスコ物語』など。
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