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特徴ある地層:芦屋層群(福岡県)

遠賀川河口東岸(浪懸(なみか)けの岸)から夏井ヶ浜にかけての海岸に広く分布する約3000万年前の地層群は、大正13(1924)年、北海道大学の長尾巧教授によって「芦屋層群」と命名され、今日まで多くの研究者を魅了してきました。

発掘のきっかけは意外なもので、芦屋層群の下に眠る石炭の層を目的とした調査でした。その結果、石炭はもとより、芦屋層群は、新世代漸新世を代表する地層群で、地層の溜まり方や成り立ちなどを研究する堆積学のほか、二枚貝類や生痕化石(せいこんかせき)、クジラ化石、ペンギンモドキ化石など化石を研究する視点でも、高い学術的重要性を持つことが確認されたのでした。

特徴ある地層:御所浦層群・姫浦層群(鹿児島県)

八代海に浮かぶ小島・獅子島は、恐竜がいた時代の地層でできた「化石の島」。獅子島の大部分を覆っているのは、熊本・天草から続く「御所浦層群」と呼ばれる約1億年前の地層です。1億年前といえば中生代白亜紀(約1億4500万~6600万年前)中期~後期にあたり、恐竜が地上を支配していた時代です。

御所浦層群は砂岩頁岩互層(さがんけつがんごそう)(砂岩と頁岩の互い違いの層)や砂岩からなります。さらにこの地層は、二枚貝やアンモナイトの化石が多く見つかる幣串(へぐし)層と、汽水性の二枚貝や巻貝が多く見つかる片側(かたそば)層に分けることができます。

また獅子島の北西岸にある御所ノ浦周辺では、「姫浦(ひめのうら)層群」という御所浦層群よりやや新しい地層が露出しています。姫浦層群は、御所ノ浦港周辺と北東端の白浜海岸の狭い範囲にブロック状、あるいは断層に挟まれた形で分布しており、アンモナイトや二枚貝の化石が多く見つかります

2004(平成16)年2月には、獅子島で最大級のクビナガリュウの化石が見つかり注目を集めました。

特徴ある地層:島尻層群(沖縄県)

南部に分布する地層は、北部に比べて時代がはるかに新しく、約500万年前から形成されました。この地層は、おもに成り立ちの異なるふたつの地層群で構成されています。そのうちのひとつが「島尻層群(しまじりそうぐん)」で、泥や砂が海底に堆積して形成されたもの。もうひとつが、琉球石灰岩が厚く堆積する「琉球層群」です。どちらも沖縄島一帯で堆積した新しい層であることは共通しており、古い付加体でできた北部とは大きく異なります。

琉球列島各地にある島尻層群には、水溶性天然ガスが存在することが知られています。同様の地層が海域で新たに発見されたことは、資源開発の観点からも注目されています。

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