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日本の気候:日本南限のスキー場集積地(広島県)
一つの県の中で、海水浴からスキーまで楽しめるのが広島県の魅力の一つです。
しかしなぜ、広島県にもスキー場があるのでしょうか?
日本海側に豪雪地帯が集中するのは、冬特有の北西季節風が大きく影響しています。冬になると大陸から非常に冷たく乾いた北西季節風がやってきます。北西季節風は日本海を通って日本列島に近づくのですが、冬、日本海の水温は北西季節風より高くなっています。このため日本海の海水が蒸発し、北西季節風に水分を与えます。
寒気が強いと中国山地の北側斜面に沿って上昇。上昇と比例して空気が冷たくなり、雪雲がさらに発達して山沿いの地域に雪を降らせるのです。
広島の豪雪の気候が、日本南限スキー場の集積地に
広島県でも中国山地沿いは、雪雲が北西の風に乗って流れ込むなど日本海からの寒気の影響を受けやすいこともあり、庄原市(しょうばらし)・三次市(みよしし)・廿日市市(はつかいちし)・安芸高田市(あきたかたし)・安芸太田町(あきおおたちょう)の一部と、北広島町(きたひろしまちょう)は、豪雪地帯に指定されています。
広島県北エリアではこの積雪量を利用し、スキー場の経営が行われています。広島県は日本の南限に位置するスキー場の集積地といわれており、雪質が良く本格的なコースが多いとスキーヤーからも人気のスポットです。現在広島県内には10カ所以上のスキー場があり、ほぼ全てが北広島町八幡・庄原市高野町(たかのちょう)・廿日市市吉和町(よしわちょう)などの豪雪地帯指定エリアに集中しています。
日本の気候:集中豪雨が多発してしまう理由(熊本県)
近年、頻発している異常気象、その原因のひとつは温暖化だとされますが、そもそも熊本県には線状降水帯が発生しやすい条件がそろっているようです。
昔から熊本地方には、「肥後の夕凪(ゆうなぎ)」という言葉もあります。熊本平野は金峰山と阿蘇山との間で盆地を形成するため、夏場は気温が35℃を越す猛暑になることが多く、夏の夕刻になるとぴたりと風が吹かなくなり、非常に蒸し暑くなるのです。
その一方で、東シナ海からは暖かく湿った空気が入りやすく、大雨や集中豪雨が発生しやすいのです。特に梅雨時期の雨量が多く、6・7月の2カ月間に年間降水量の約4割が降り、たびたび土砂災害や洪水の被害をもたらす原因にもなっています。
気候用語「線状降水帯」。全国どこで発生してもおかしくないが…
さらに近年では、「2012(平成24)年7月九州北部豪雨」や「2018(平成30)年7月豪雨」、「2020(令和2)年7月豪雨」などに代表されるように、「50年に一度の大雨」が複数回発生しています。これは温暖化のせいだとされますが、実害を及ぼしているのは、次々と発達する雨雲(積乱雲)が列をなして発生する線状降水帯。雨雲が数時間にわたってほぼ同じ場所を通過、または停滞することで激しい豪雨をもたらしてしまうのです。
日本の天気は西から崩れていくのが一般的。これは、中国大陸などで発生した前線や低気圧、高気圧などが、偏西風によって日本にやってくるからです。つまり、本州の西に位置する九州地方がまず豪雨の洗礼を受けることになります。今後、こうした豪雨がさらに増える可能性も指摘されています。さらなる備えが必要であることはいうまでもありません。
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