市町村別の農業産出額トップは、根室市と隣接する別海村。1956（昭和31）年に高度酪農地域に指定されると、酪農の機械化や施設の大型化が著しく進み、市町村別の生乳生産量は全国一。

バイオマスやICT活用を促進するなど、先進的な取り組みも実施。新規就農者に対しては給付金や助成金、融資制度も充実しており、人材不足解消にも積極的です。

いっぽう、漁獲量でも道東の根室市や道北の稚内市が強い存在感を放ちます。ただ、漁港別では斜里町のウトロ漁港、羅臼町の羅臼漁港が道内でもトップクラスの水揚げ高を誇ります。いずれもオホーツク海の好漁場が強みで、ホッケやサケ・マス類、ウニなど、北海道が全国に誇る魚種の漁獲量で全国有数の漁港として知られています。

なかには、年間数百匹しか獲れない「鮭児（けいじ） 」などの高級食材もあり、ブランド化しつつあります。

道東・道北では農業や漁業の大規模経営が進んでおり、農家の年間販売額が１千万円を超えることも少なくありません。逆に、道央や道南では零細農家が多く、農林水産業においては地域間の収入格差が大きいのです。

町村部の所得が高くなるのは、こうした農林水産業における事業展開の差が原因とも考えられます。すなわち、北海道の農林水産業は、日本の食だけでなく、道民の生活を支える基幹産業なのです。

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